イノベーションを起こす組織を支援する、実践的かつ具体的な方法
まず情報に興味を持ち、アイデアを出しやすい雰囲気を出すために、「ONES Project(ワンズ・プロジェクト)」のカンバンタスクを用いて、簡易的な仕組みを作成。この仕組みでは、何に役立つかなどは考えず、とりあえず気になった情報をどんどん登録してもらうことを重視したという。情報を選別し判断するのは、イノベーション推進室のメンバーであり、従業員が登録した情報を「機会」や「脅威」などの属性に選別し、影響度や実行優先度などを判断していく。
「ONES Project(ワンズ・プロジェクト)」の画面上で、「なぜこの活動をするのか」という活動方針や、「自分たちのビジネスはどんな意味があるのか」「新着情報がどのくらい入っているのか」などが可視化され、「お客様からの要望」「競合の変化」などから、機会と脅威の増減が時系列でわかるようになっている。これらを元にして、イノベーション推進室でビジネス戦略や経営戦略を立てていく。
さらに情報収集フェーズでの「機会の特定」の判定から、新しい取り組みを行う場合は「IdeaScale」に登録する。アイデアから迅速に実行可能なプランとするためのテンプレートが用意されており、項目に情報を入力するだけでビジネスプランを作成できる。なお、イーロン・マスクが率いるテスラも「IdeaScale」を活用しており、ユーザーにもアイデアを出してもらっているという。
そうした情報の中から選んだものをプランへと落とし、ソリューションの開発となれば、アジャイルとウォーターフォールを駆使して、プロジェクト計画立案から開発を行うために「プロジェクト管理ツール」として使用する。
そして、振り返りとマネジメントレビューにおいては「ONES Wiki」のテンプレートを用いて、パフォーマンス評価、戦略・価値評価、マネジメントレビュー、アジリティ評価を行なった結果を記録。アジリティについては、情報を入手して対応するまでのリードタイムを測定し、自分の組織が対応するまでのプロセスなどが見える化される。これらのプロセスで生じた経験や知識、報告書や仕様書などのドキュメント、マネジメントレビューなどの情報をナレッジ管理ツールに記録していくと、それらの蓄積のもと、生成AIが質問に回答してくれるようになる。
システムコンシェルジュでは、ほとんどの従業員がエンジニア出身であり、コンサルティング経験もある人材が在籍しているため、様々な経営課題、ビジネス課題に対して、あらゆるIT技術を活用した解決方法を提案。イノベーション能力を生かし、お客さまに寄り添うことができるIT専門会社だと、強調した。
具体的には、組織に仕組みを定着させるために必要な「方法論やガイドライン」、「IT技術とプラットフォーム」と「知識や能力を育成する研修サービス」などを提供している。人的リソースが足りなければビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)としてのサポート体制を有している。世界最大規模のイノベーション研究機関であるGlobal Innovation Management Institute(GIMI)が認定する国際認定資格の研修と認定試験も提供することができ、国際資格としてイノベーションに対する力量を証明するものだ。
大塚氏は「当社もイノベーションを目指す中で、失敗や成功を経験し、お客さまの支援においてさまざまな知見や知識を獲得してきました。それらを皆さまへ共有しながら、組織や事業のイノベーションを支援していきたい」と力強く語り、講演を締めくくった。