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NTTBP・日立・テルウェル東日本、AIによる介護施設入居者の感情予兆検知実験、約75%の精度で一致

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 エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム(以下、NTTBP)と日立製作所(以下、日立)は、介護施設入居者の感情変化における予兆の検知によるサービス向上・業務効率化を目的に、AIを活用した実証実験を行った。

 両社は、入居者の感情変化における予兆を検知し、安心安全の確保のため適切なケアの提案などを行うサービスの事業化を目指している。

 そのため、テルウェル東日本が受託運営する介護施設にて、AIと入居者の表情、動作、音声などのデータ、介護記録を組み合わせて入居者の感情変化の予兆を検知する実証実験を行った。具体的な検証方法は次のとおり。

  1. 感情の観察
    • 介護施設特有の環境を考慮し、次のシーンにおける入居者の様子を6日間カメラで撮影した
      1. スタッフと入居者が1対1でコミュニケーションを行い、また、衣服の手入れや薬の管理など入居者の個別のニーズに合わせたサポートが必要となる居室の様子
      2. 入居者同士が集まり、会話や交流を行う食堂での食事の様子や、健康運動を行う様子
  2. 感情の分析
    • AIを活用し、撮影したデータの映像と音声から入居者の感情を分析し、各シーンにおいて入居者が7種類(怒り、悲嘆、恐れ、平静、嫌悪、幸福、驚き)の感情のうち、最も割合の大きかったものに分類した
  3. 要因の分析
    • 入居者のプロファイリング情報、スタッフが記入する介護記録、および入居者の感情に関するアンケート結果を撮影データの分析結果と組み合わせることで、どのようなシーンでどのような感情になるかを把握し、不快感やネガティブな感情変化を示す要因を分析した

 同実証により、AIを活用して分析した入居者の各シーンにおける感情の分類が、実際に対象者が感じた感情の分類と約75%の精度で一致しており、入居者の感情変化の予兆を捉えるためにAIの活用が有用であることが確認できたという。

同実証のスキーム[画像クリックで拡大]
同実証のスキーム
[画像クリックで拡大]

 なお、参画企業各社の役割は次のとおり。

  • NTTBP:プロジェクト管理と評価、無線をはじめとする通信インフラの構築および提供
  • 日立:実証の設計、AIエンジンの提供、データ分析および分析結果の評価
  • テルウェル東日本:実証フィールドの提供

 NTTBPと日立は、同実証の結果を踏まえ、AIを活用し入居者の感情変化の予兆を検知するサービスの2024年度中の事業化を推進する。

 具体的には、入居者の機嫌を損なう恐れのあるワードやケアをあらかじめスタッフが把握することで、入居者の急激な感情変化を防ぎ、入居者の安心安全の確保、ケアの質の向上、スタッフの負担軽減を支援するサービスを目指すとのことだ。

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