IPG Mediabrands Japan(以下、IPGメディアブランズジャパン)は、日本の15〜74歳を対象に「Media in Mind 2024調査」を実施した。
同調査は、生活者の「メディアの利用実態・生活意識」を明らかにすることを目的にしたもの。2024年度調査では、コロナ禍後約2年後の生活者の意識と行動に、どのような変化が起こっているのかを分析している。
リモートワーク実施率は若干減少しているものの、新しい働き方として一定層で定着
リモートワーク・授業実施率について、「1ヵ月に1回以上」の実施は23%。2年前の28%から5ポイント低下しているものの、1年前の24%からほぼ変化がなく、一定の層においては定着したと言えるという。
時間をかけている・お金をかけている生活行動は、ほとんどが低下
時間をかけている生活行動は、1年前と比較すると、ほとんどの行動において減少した。特に減少が大きかったのは、「睡眠」「料理・家事」「医療・健康」。コロナ禍中は余裕のあった時間が減少した結果、「睡眠」や「料理・家事」をする時間が削減され、コロナ禍で高まった健康意識・行動がコロナの収束とともに、元に戻りつつあることがうかがえる結果となった。一方で、「動画配信サービス」「推し活」は1年前と同水準を維持している。
また、お金をかけている生活行動も、1年前と比較してほとんどの行動が減少。特に物価高による節約志向が影響を及ぼしているのか食費関係や、コロナ収束の影響と考えられる医療健康関連の低下が目立つ。一方で、時間と同様に「推し活」「イベントへの参加」は1年前と同水準を維持している。
リアルイベントの再開や、オンラインイベントとのハイブリッド開催により、より簡単に「推し」を応援できるようになったことが影響を及ぼしているのではないかと同社は述べている。
「対面でのコミュニケーションは重要だと思う」という意識が低下
意識面においても、いくつかの項目において低下が見られた。中でも、過去2年間にわたり大きく低下した意識として、「対面でのコミュニケーションは重要と思う」が75%(22年)から66%(24年)と2年間で9ポイント低下している。コロナ禍中、対面でのコミュニケーションが制限されるほど逆にその重要性を感じていたものの、制限がなくなった今、リモートワーク・授業の定着とともに対面での価値を感じる人が減少しているものと推察されるという。
「時間は可能な限り効率的に使いたいと思う」という意識が低下
「時間は可能な限り効率的に使いたいと思う」というタイムパフォーマンス(タイパ)と関連する意識も71%(22年)から62%(24年)と、2年間で9ポイント低下。リモートワークや授業によって通勤・通学時間の削減という大きなタイパが実現できていたものの、2年前と比較すると、リモートワーク・授業実施率が低下したことによりタイパ意識の低下にも影響を及ぼしていると考えられるという。
ただし、1年前との比較では、前述の通り、リモートワーク・授業の実施率はほぼ変化がないのに対し、この意識は4ポイント低下していることから、物理的なリモートワーク・授業の低下によるものだけでなく、生活者はタイパを追い求めたものの、結果として「タイパ疲れ」が起こっているのではないかとも思われるとのことだ。
調査概要
- 調査期間:2024年11月29日~12月2日
- 調査方法:インターネット調査
- 調査実施機関:マッキャンエリクソン、IPGメディアブランズジャパン
- 調査対象者:関東・関西在住の15~74歳のインターネットユーザー2,400名
-
調査モニター提供元:クロス・マーケティング
【関連記事】
・サステナビリティ2026問題で提携 アビームコンサルティングとbooost technologies
・リクエスト、組織が直面する課題解決に向けた「組織の未来をつくる新たな価値創造モデル」を発表
・パーソルHD、「パーソルグループ人的資本レポート2025」を公開 “人的資本インパクトパス”を可視化