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日本IBMと東京海上日動あんしん生命保険、生成AIを活用した「顧客の声」の分類・分析モデルを開発

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 日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)は、東京海上日動あんしん生命保険と、業務プロセスの効率化やサービス品質の向上の実現に向け、生成AIを活用した「顧客の声」の分類・分析モデルを新たに開発した。

 東京海上日動あんしん生命保険では、コールセンターや会社ホームページ、営業店などに寄せられる年間1万8000件におよぶ「顧客の声」を、「顧客本位の業務運営」に活用してきたという。寄せられた「顧客の声」は、社員が毎日手作業で内容を確認して分類するため、作業時間の増加や人的判断に伴う分類のばらつき、重要キーワードの抽出などに課題があったとしている。

 こうした背景の下、東京海上日動あんしん生命保険と日本IBMは、属人化の解消などといった業務プロセスの効率化やさらなるサービス品質の向上の実現に向け、生成AIを活用した「顧客の声」の分類・分析モデルの開発を目指し、2段階にわたる実証実験を行った。

 まず、第1段階の実証実験では2024年7月から約2ヵ月間、ビジネスのためのAIやデータのプラットフォームであるIBM watsonxの主要コンポーネントのwatsonx.aiを採用し、自然言語検索や生成AI技術と、情報検索技術(RAG)を組み合わせたデータサイエンス手法を用いて、「顧客の声」の分類・分析の実証実験を実施。具体的には、複数の不満が含まれる電話内容を基にした「顧客の声」データのメモから、分類候補となりうる分類結果を分類根拠とともに示すことで、分類・分析業務の迅速化や優先度の明確化、観点の標準化を目指した。その結果、生成AIを活用することによる正確かつ平準的な分類や、担当者の作業時間の大幅削減による負荷軽減が実証されたという。

 続いて、第2段階の実証実験では2024年10月から約2ヵ月間、重要キーワードの正確な抽出や、キーワードを基にした関連性を可視化する機能、「顧客の声」の多角的な分類、ハッシュタグを自動生成・分類する仕組みなどについて実証実験を実施。その結果、「顧客の声」の内容やトレンドを即時に把握できるようになり、分析の迅速化・高度化が実現したという。

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 同実証実験において、同モデルを活用したソリューションの有効性が実証されたことから、東京海上日動あんしん生命保険は、2025年3月31日より、まず第1段階の実証実験を経たモデルの本格的な導入を開始する。なお、個人情報を含むデータは、データ取得時の利用目的に基づき利活用するほか、保険業界が扱う個人情報を保守するためにも、高い安全性を備えたIBM Cloud上で構築するとのことだ。

 また2025年度以降は、第2段階の実証実験を経たモデルも本格導入するとともに、「顧客の声」を契約データなどと組み合わせ、顧客の属性や商品種類ごとにより詳細な分析を行うなど、活用範囲を拡大する予定だとしている。

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