タナベコンサルティングは、全国の企業経営者、役員、経営幹部、部門責任者、デジタル担当者などを対象に実施した「2025年度 デジタル経営に関するアンケート」の調査結果を発表した。
（1）約7割の企業が「DX推進・デジタル活用に取り組んでいる」と回答
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DXの推進（全社的に高度に推進・一部の部門で高度に推進）や、デジタル活用（複数の業務で活用・一部の業務で活用）に取り組んでいる企業の割合は全体の約7割を占め、過去最高となった。
企業規模別では「全社的に高度に推進」は大企業で20.5％、中堅企業で9.1％、中小企業で5.5％となり、規模が大きい企業ほど進展が見られる。また、「全体的に不十分」が中小企業で30.3％と高く、推進度合いには企業規模による差が存在していることがわかった。
（2）DX戦略は「場当たり的に進めている」が最多。特に中小企業の割合が多い
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全体では「デジタル施策は場当たり的に進めている」（30.6％）が最も多く、「DX戦略はあるが推進度に課題がある」（28.1％）が続く。「DX戦略はあるが推進度に課題がある」の回答率は2023年19.0％から2025年28.1％へ上昇しており、実行段階の企業が増加。一方で、「ビジョンと紐づいたDX戦略を推進している」は約1割にとどまった。
企業規模別では、「場当たり的に進めている」の回答は中小企業の割合が最も高く、「ビジョンと紐づいたDX戦略を推進している」は大企業で相対的に高い結果に。全体として、戦略を明確に定めた上での推進に至っていない企業が一定数存在していることがわかる。
（3）大企業では半数近くが「DX推進部門を保有（専任あり）」と回答。企業規模でDX推進体制に差
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「明確な体制はない」（31.3％）が最多となった一方で「DX推進部門を保有（専任あり・兼任中心）」は合計で34.7％となり、一定数の企業では体制整備が進んでいることがわかった。
企業規模別に見ると、大企業では「DX推進部門を保有（専任あり）」が45.5％と半数近くを占め、専任体制の整備が進んでいることがわかる。一方で、中小企業では「明確な体制はない」（46.9％）が最も高く、体制整備の遅れが目立った。全体として、DX推進体制では整備が進む企業とそうでない企業が並存していることが示唆される。
（4）AI活用は「全社的な活用」が昨対比で倍増
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全体では、「ガイドラインはなく、個人レベルでの利用に留まっている」（31.4％）が最多。
「活用したいと考えているが、まだ着手できていない」（16.3％）も一定数存在するが、「活用予定はない」は3.5％にとどまった。年次比較では、「全社的に活用」が2024年12.2％から2025年24.7％へ上昇しており、全社レベルでの活用が広がりつつある。
企業規模別に見ると、大企業・中堅企業ともに「全社的に活用」が最も高く、いずれも約4割に達した。一方で、中小企業では「個人レベルの利用」（42.8％）が突出しており、活用段階の格差が明確に。全体として、AI活用は個人利用から全社展開へと発展の途上にあることがわかる。
（5）約8割が新規事業・サービス開発へのデジタル活用を「実践できていない」と回答
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全体では「検討段階にある」（35.4％）が最も多く、「特に予定はない」（35.1％）がほぼ同水準で続いた。「既に新規事業・新サービスの立ち上げで活用している」は17.0％にとどまり、実際に活用まで進んでいる企業は2割弱。
企業規模別に見ると、大企業では「既に活用している」（31.8％）が他の企業規模より高く、一定の実装が進んでいることがわかった。中堅企業では「検討段階にある」（38.4％）が最多で、活用の拡大を模索していることが示唆される。一方で、中小企業では「特に予定はない」（47.6％）が約半数を占め、新規事業開発におけるデジタル活用は限定的。全体として、新規事業・サービス開発におけるデジタル活用は一部企業で進展しているものの、多くの企業は検討段階にとどまっている。
（6）人材データを活用した人事・組織マネジメントは「データ基盤が整っていない」が最多
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全体では「データ基盤が整っていない」（25.7％）が最も多く、次に「一部活用しているが、十分とは言えない」（24.0％）が続く。「人材データをもとに施策立案・配置・育成等を実施している」は6.3％にとどまり、人材データを活用できている企業は限られていることがわかった。
企業規模別に見ると、大企業では「人材データをもとに施策立案・配置・育成等を実施している」（15.9％）が他の規模より高く、活用が進んでいる。中堅企業では「一部活用しているが、十分とは言えない」（35.4％）が最も多く、活用の途上段階にあることがわかった。一方で、中小企業では「データ基盤が整っていない」（37.2％）が突出しており、環境整備が大きな課題となっていることがわかる。
（7）経営判断へのデータ活用は「活用しきれていない」が最多
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年次比較では「データは蓄積されているが活用しきれていない」が21.2％（2024年）から35.1％（2025年）へ上昇しており、データは整備されつつも活用に至っていない企業が増加していることがわかる。
企業規模別に見ると、中堅企業では「意思決定に活用している」（16.2％）がやや高く、比較的積極的な活用姿勢が見られた。一方で、中小企業では「必要なデータが収集・整備されていない」（38.6％）が最も多く、基盤整備の遅れが目立つ。全体として、データ活用の重要性は共有されつつも、実際の意思決定への反映には課題が残っていることがわかった。
（8）オペレーション領域では「AIによる業務効率化」「IoTによる無人化」が中心
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全体では「AI活用による契約書作成・レビュー業務の効率化」（42.7％）が最も多く、「IoTによるデータ収集プロセスの無人化」（40.6％）が続いた。「ロボット導入による省力化・省人化」（35.1％）も一定の割合を占めており、自動化・効率化への関心が高まっている。
企業規模別に見ると、大企業では「IoTによるデータ収集プロセスの無人化」（59.1％）が突出して高く、現場データの自動取得や可視化を通じて業務効率や判断精度の向上を図る動きが見られた。全体として、オペレーション領域では、AI・IoT・ロボティクスを中心に、効率化・自動化への取り組みが重点テーマになっている。
（９）営業・マーケティング領域におけるデジタルツールは、半数近くの企業で導入が進まず
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全体では「一部のツールを導入しているが、活用度には課題がある」（28.1％）が最も多い結果となった。また、「導入を検討している」（14.6％）と「特に導入予定はない」（32.6％）を合わせると、導入が進んでいない企業が半数近くを占める。「複数のツールを導入し、効果的に活用している」は4.2％にとどまり、ツールの有効活用はごく一部に限られていることがわかった。
企業規模別に見ると、大企業では「一部のツールを導入しているが、活用度には課題がある」（45.5％）が最高に。ツール導入は進んでいるものの運用段階に課題を抱えていることがわかる。一方で、中小企業では「特に導入予定はない」（46.2％）が最も高く、ツール導入の段階に至っていない企業が多い状況。全体として、営業・マーケティング領域ではツール導入が広がり始めているものの、活用度や効果の面ではばらつきが大きくなっていることがわかった。
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