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利益を生み出すビジネスモデルに共通する「財務構造」

第14回

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最終的な利益に最も影響を与える「プライシング」

 次に、収益モデルのサブ要素であるプライシングについて考えていきましょう。プライシングは、固定価格、差別価格、市場価格という3つのタイプに大きく分類することができます(図表6)。

プライシングの定義と属性図表6.プライシングの定義と属性

 ところで、価格設定は何に基づいてなされているのでしょうか? これには、コスト、競争、需要、価値という4つの切り口があります。製造業はコストに利益を上乗せし、小売業はライバル企業の価格を参考にし、仲介業は市場における需給をモニタリングして価格を設定しているかもしれません。あるいは、それらを総合的に勘案して決めることもあるでしょう。

 プライシングは、企業の最終的な利益(ボトムライン)に対して非常に大きな影響を与えます。たとえば、2004年に米国ウォートンスクールが行った調査によれば、価格、変動費、売上数、固定費のいずれかを1%改善した場合における利益への影響度において、価格によるインパクトが最も高い数字となっています(図表7)。

利益に影響を与える4つのレバー図表7.利益に影響を与える4つのレバー

 話を戻して、固定価格、差別価格、市場価格という3つのタイプのバラエティについてみていくことにしましょう(図表8)。

プライシングのタイプとサンプル図表8.プライシングのタイプとサンプル

 一般的には、プライシングは販売者が決める場合が多いのですが、ケースこそ少ないものの新しいプライシング方式が近年行われているようです。たとえば、ペイ・アズ・ユー・ウィッシュ(例.「言い値書店」という電子書籍出版サイト)や購入価格指定方式(例.米国プライスライン)、成果に基づく価格設定(例.一部のコンサルティングやアウトソーシングビジネス)などがこれに相当します。

次のページ
コストは「固定費」と「変動費」に分ける

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この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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