最終的な利益に最も影響を与える「プライシング」
次に、収益モデルのサブ要素であるプライシングについて考えていきましょう。プライシングは、固定価格、差別価格、市場価格という3つのタイプに大きく分類することができます(図表6)。
ところで、価格設定は何に基づいてなされているのでしょうか? これには、コスト、競争、需要、価値という4つの切り口があります。製造業はコストに利益を上乗せし、小売業はライバル企業の価格を参考にし、仲介業は市場における需給をモニタリングして価格を設定しているかもしれません。あるいは、それらを総合的に勘案して決めることもあるでしょう。
プライシングは、企業の最終的な利益(ボトムライン)に対して非常に大きな影響を与えます。たとえば、2004年に米国ウォートンスクールが行った調査によれば、価格、変動費、売上数、固定費のいずれかを1%改善した場合における利益への影響度において、価格によるインパクトが最も高い数字となっています(図表7)。
話を戻して、固定価格、差別価格、市場価格という3つのタイプのバラエティについてみていくことにしましょう(図表8)。
一般的には、プライシングは販売者が決める場合が多いのですが、ケースこそ少ないものの新しいプライシング方式が近年行われているようです。たとえば、ペイ・アズ・ユー・ウィッシュ(例.「言い値書店」という電子書籍出版サイト)や購入価格指定方式(例.米国プライスライン)、成果に基づく価格設定(例.一部のコンサルティングやアウトソーシングビジネス)などがこれに相当します。