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シンギュラリティ大学が考える未来のつくり方――AI、ロボティクスの次に来るものとは?

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 11月19日、ベルサール六本木にて「シンギュラリティ “AI, Robotics and Beyond” シンポジウム 〜シンギュラリティ時代の未来のあり方を考える〜」が開催された。シリコンバレーに拠点を構えるシンギュラリティ大学が、日本ではじめて開催する「ジャパン グローバルインパクトチャレンジ」の参加者を募集するためのシンポジウムだ。イベントの前半では、エクスポネンシャルジャパン代表ジョヴァン・レヴォレド氏によるシンギュラリティ大学についての紹介。後半では4人の登壇者によるパネルディスカッションが行われ、「シンギュラリティに対するネガティブ意見」や「AIやロボティクスの次に来るもの」について語られた。

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10億人を救うイノベーションを起こす「エクスポネンシャル思考」

もしもあなたが金持ちになりたかったら、10億人を助けるサービスやプロダクトをつくればいい。

 シンギュラリティ大学の日本アンバサダーをつとめるジョヴァン・レヴォレド氏(以下、ジョヴァン氏)は、聴衆にこう投げかける。

ジョヴァン・レヴォレドジョヴァン・レヴォレド氏(エクスポネンシャルジャパン代表)

 「指数関数的に成長するテクノロジーを活用して、次の10年間で10億人の生活をより良いものにする」という理念を掲げ、シンギュラリティ大学はイノベーション創出を支援している。はじめに、本大学がどのような目的で設立され、彼らが日本でシンポジウムを開催する理由について解説していこう。

 2045年に人工知能が人間の能力を超えるという考え方を「シンギュラリティ」と呼ぶ。この概念を提唱したのは、現在Googleのエンジニリングディレクターとして自然言語理解の開発チームを率い、自らも人工知能の開発を進めているレイ・カーツワイル氏だ。同氏と、民間宇宙開発コンテストを行う「Xプライズ財団 (X Prize Foundation)」を主宰するピーター・ディアマンディス氏がシリコンバレーにつくった教育機関が、シンギュラリティ大学である。

 シリコンバレーにあるアメリカ航空宇宙局(NASA)基地内にシンギュラリティ大学は拠点を構えている。大学と銘打っているものの、正式な学位の授与は行っていなく、教育以外にスタートアップの成長を支援するインキュベーション施設としての役割を持つ。

 シンギュラリティ大学のカリキュラムでは、事業開発のためのデザインシンキング、マインドフルネス、SFを活用した未来予測といった様々な手法を学び、「10億人を救う」イノベーションの創出を目指す。プログラムへの参加者が卒業後にスタートアップを始め、シンギュラリティ大学はアクセラレーターとしてそのスタートアップを支援し続けていく。

参考書籍シンギュラリティユニバシティや、エクスポネンシャル思考に関しての参考書籍
(左)『シンギュラリティ大学が教える飛躍する方法』(日経BP社)
(右)『ボールド 突き抜ける力』(日経BP社)

指数関数的成長とは何か

 シンギュラリティ大学が対象としているのは、教育、エネルギー、環境、食糧、健康、貧困、セキュリティ、水資源といった領域。これらの人類が直面する世界的な課題に対して、AI&ロボット、バイオ、ナノテク、ネットワーク&コンピュータシステムといったテクノロジーでの解決を目指す。これらのテクノロジーがもつ特徴は、指数関数的(エクスポネンシャル)に成長していること。

 指数関数的(エクスポネンシャル)とは、「ムーアの法則」を上回るペースで進化するテクノロジーのことを指し、米国を中心に注目を集めるキーワードだ。指数関数的に成長する企業の例として、AirbnbやUberといったシェアリングエコノミー企業、Alphabet(編集部注:Googleの持ち株会社)やTeslaなどが挙げられる。

 本シンポジウムを皮切りに、募集が始まる「Japan Global Impact Challenge」の優勝者は、シンギュラリティ本科「GSP」にて、10週間の短期トレーニングに参加する権利を手にできる。ジョヴァン氏は「破壊的技術を持ち、世界規模の課題解決に挑戦したいスタートアップにぜひ応募してほしい」と語り、セッションを締めた。

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