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「働き方変革」が新事業創出につながる――ヤフーとリクルートが語る“なぜやるのか”

Sansan Innvation Project2017 レポート「働き方変革最前線 ~進化しなければ生き残れない~」

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 2017年2月2日に、名刺管理サービスSansanによるイベント「Sansan Innovation Project 2017 働き方進化論」が開催された。イベント内のセッション「働き方変革最前線 ~進化しなければ生き残れない~」には、ヤフー株式会社 副社長執行役員 最高執行責任者 川邊健太郎氏、株式会社リクルートマーケティングパートナーズ 代表取締役社長 山口文洋氏、株式会社リクルートホールディングス 働き方変革推進室 室長 林宏昌氏が登壇。モデレーターを、Sansan株式会社 CWO(Chief Workstyle Officer)角川素久氏が務めた。

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リクルートとヤフーはなぜ「働き方変革」に取り組むのか?

 「働き方変革」にまつわる3社の取り組みを皮切りに、トークセッションはスタート。これから自社の「働き方変革」を推進したい企業にとってのヒントが詰まったトークセッションとなった。

ヤフーの働き方変革にある“3つの狙い”

 昨年、ヤフー本社が六本木の東京ミッドタウンから東京ガーデンテラス紀尾井町へ移転した。その際に、新しいオフィスのコンセプトや設計を率いたのが、ヤフー株式会社 副社長執行役員 最高執行責任者 川邊健太郎氏だ。同氏は、「働き方変革」に取り組む理由を次のように語る。

川邊:20周年を迎えたヤフーで、更なるイノベーションを起こすことです。スマートフォンの普及やIoTなどの新しいテクノロジーが登場する中で、社内に「情報の交差点」をつくり、新しいものを生み出す「新結合」をつくる必要があります。
また、その「新結合」をつくる上で重要なのは「人」です。会社の競争力を高めるためには、社員により健康的で、創造的な人生を送ってもらうことです。8時間労働と仮定すると、1日の三分の一はオフィスにいなければいけなくなります。社員にとって「働く」をより良いものにしていきたいですね。そして最後に、採用です。よりフレキシブルな働き方が実現できれば、より多くの優秀で先進的な人財を惹きつけることができると思っています。その結果、競争力向上につながるのではないかと。

リクルート山口氏「新たな価値創造を実現するために、会社内にカオスな状況をつくりたい」

 続いて、リクルートマーケティングパートナーズ代表取締役社長の山口文洋氏が登壇。社長就任前にリクルート社内の新規事業コンテスト「New RING」にて、オンライン教育の「受験サプリ(現・スタディサプリ)」を提案。コンテストでグランプリに輝き、事業化を行った経験を持つ。山口氏は、自身の働き方を見つめ直した原体験を次のように振り返る。

山口:僕自身、リクルートに中途で入社してしばらく経つと、ルーティンの仕事を効率化することで時間に余裕が生まれました。。そこで、面白いことをしようと思って、毎年「New RING」に応募しました。そこでグランプリを獲得し、「受験サプリ」を事業化しました。普段の業務とは異なる人とチームを組んで、新規事業創出に取り組んだ経験が、僕の働き方の原点になっています。

 なぜ山口氏は「働き方変革」を推し進めるのだろうか。リクルートマーケティングパートナーズが手がけている事業は、ゼクシィやカーセンサーなど、20年から30年近く変わらずに続いているものが多い。成熟市場で今までと同じように事業に取り組んでいるだけだと、会社は持続的成長をすることができない。成熟事業の中での新たなチャレンジや新規事業の提案などを通じて、マーケットを活性化し成長させることができれば、会社の事業成長も後からついてくる。山口氏によれば、会社内に健全なゆらぎを起こし、カオスな状況をつくることが目標だという。

 実際にリクルートマーケティングパートナーズで主催している「New RING」へのエントリー数も増加傾向にある。一昨年は、社員が1300人いる中で「New RING」への応募はわずか20件だった。しかし、2016年は200件をこえたそうだ。

山口:実はゼクシィやカーセンサーといった現在の主力事業も、当時の従業員が新規事業コンテストで優勝して事業化したものなんです。ボトムアップからの事業創出というリクルートの文化がなくなれば、“会社の死”を意味します。「働き方変革」を進めることで生産性をあげ、業務に余白をつくる。その余った時間を活用し、誰もが新たな顧客提案や新商品開発、新規事業創造など新たな価値創造に挑戦できる組織風土を創っていきたいと思っています。

リクルートホールディングスが大切にする、働き方変革を“なぜやるのか”の明確化

 最後にリクルートホールディングス 働き方変革推進室 室長 林宏昌氏が登壇。同氏は、2015年に「働き方変革プロジェクト」を立ち上げ、場所に捉われない働き方の実現に向けリモートワークの導入に奔走。実証実験の過程で、「週3日以上の出社の禁止」などの奇抜な取り組みを行った。現在リクルートホールディングスは、全従業員を対象に、日数の上限なくリモートワークが可能になっている。同社が「働き方変革」に取り組む背景にある想いについて、次のように語る。

:「従業員が個別に最適な働き方をすること」と「会社の成長」がトレードオフだと思っている会社が世の中には多いです。でも、そこは両立できるんですよ。私たちは、従業員が自由な働き方をしながら、それがイノベーションに結びつき、会社が成長する社会を目指さなければいけません。
「なぜやるのか」を明確化すると、そのための方法も自ずと見えてきます。その会社によって、「働き方変革」を推し進める理由は異なっていていいんです。生産性、ワークライフバランス、イノベーション……どれも正しいです。そこがはっきりしていないと、「働き方を変えよう」と言っても、明日から何をすればいいのかわからないじゃないですか。

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「週に3日以上“出社禁止”」と振り切った施策を打つことが、「働き方変革」の秘訣

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