他の生物に満たすことが困難な「間接互恵性」の条件は、評判を伝えるための“言語というシステム”の存在
人間の「間接互恵性」についてマーティン・ノワック曰く、
人間は他のいかなる生物よりも間接互恵、すなわち評判に基いて他者を助ける。なぜか。人間だけが十分に発達した言語を持ち、その延長として各自が名前を持つため、家族のことから地球の反対側に住む赤の他人のことまで、あらゆる人の情報を共有できるからだ。
この「間接互恵性」が成立するには、他の生物には今のところ満たせない条件を必要とする。それは、評判を伝えるための言語によるコミュニケーションと、正確に評判を伝えられる高度な文法と、一人ひとりにうわさをするために必要な名前があることだ。