人間が草原という過酷な環境で得た、「共有意図」という“重大な結果を生む僅かな違い”
チンパンジーと人間の助け合う力の違いは、人間が700万年にチンパンジーと分かれ、草原という厳しい環境に身を置いたことに起因すると言われている。環境の変化によって、お互いがお互いを助け、みんなで複数の子供たちを守り育てる暮らしに移り変わり、人間は社会的な種へと進化した。そこには、「私があなたに親切にすれば、あなたはお返しとして私に親切にする」(直接互恵性)という助ける行為が双方向に作用することで、協力して危険を回避し共同の目標を達成する「助け合い」の必然性があった。そのようにして一段と高度な協力が生まれるようになった。
この領域の研究で世界的なリーダーであるマイケル・トマセロは、こうした人間と動物の違いについて、面白おかしくこのように語っている。*2