Facebookが提唱するカジュアルなコミュニケーション
須藤社長は、Facebook Japan 代表取締役の長谷川晋氏を壇上に招いた。Facebookはつい最近も表示アルゴリズムをアップデートし、ユーザーに表示されるメディアの記事を抑制し始めたように、ユーザーとネットの関係を方向づけているといって良い。長谷川社長は、日本上陸10周年を迎えたFacebookが現在、クリエイティブやコンテンツをどのように考えているかについて語った。Facebookは、企業のマーケティングに貢献していくことを主眼に置いており、現在重視しているのが、「モバイル」と「ビジュアルコミュニケーション」なのだという。特に「テキストよりもビジュアル」で、「よりカジュアル」であることが重要だという。長谷川氏が事例として紹介したのは日産自動車のセレスのフルモデルチェンジのクリエイティブ広告。ひとつの商材、ブランドであっても、ユーザーのタイプによって切り替えるクリエイティブを数多く用意した。それによって「親指を止めるモバイル広告」が可能になったという。
大切なのは本質的に消費者を理解してコンテンツを届けること。見たユーザーの属性を分析しPDCAを回していくことで、スマホをスクロールしている親指の動きを止めることです。
たとえば2016年にリリースされた「Instagramストーリーズ」では「いいね」のボタンがない。完全にフル画面の動画で24時間で消えてしまうことで、コミュニケーションのハードルを下げることに成功した。長谷川社長はP&G、楽天などを経て一貫してマーケティング畑を歩いてきた人物。事業会社とデジタルの両面の経験による立場として、「生活者、消費者とのコミュニケーションの本質は変わらない」と語り「事業会社とデジタルをブリッジしてくれる相談役を持つこと」をアドバイスした。