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音声AIプラットフォーム戦略

“デジタルに疲れた消費者”と音声&会話形コマースの未来──世界最先端の企業が軸に据えるTRUSTとは

第4回 

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 本連載では、GoogleやAmazonなどがこぞって開発しているVUI(Voice User Interface)技術、その開発プラットフォームが開放されることで生まれるエコシステムに注目する。この新しいエコシステムにおいて、非テック企業が自社サービスをどのように位置づけ、活用し、競争優位性を獲得していくのか。数回に分けて解説していきたいと考えている。
 第4回目の今回は、音声UIのビジネス活用において熱い分野の一つである、ボイス/会話形コマースについて語ってみたい。

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デジタルに疲れ、無関心化する消費者たち──欧米での調査からわかる現在と未来

 はじめに、下記にボイスコマースに関係するいくつかの統計データ、市場予測を列記してみる。(下記はすべて先行市場の欧米のもの)

  • スマートスピーカーを通じて音声で商品を注文したことがあるのは、所有者のうち22% *1
  • 音声でよく買われているアイテムは、日常消耗品、家電、健康・美容系商品、ペット用品など *2
  • 音声で注文をしたことのある消費者の85%が、音声アシスタントにレコメンドされたものをそのまま購入すると答えている *3
  • 米国のビジネスコンサルティング企業OC&C Strategy Consultantsによると、2022年までにボイスコマースの市場規模は、400億ドル(≒4兆円)に達する *4

 音声で注文をしたことのある割合については、2%にとどまるという調査結果もある。回答者サンプルの違いや聴取項目の微妙な違いなど様々な要因が考えられるが、結論は出ていないようだ。いずれにしても先行市場の欧米市場の数字のため、参考値として捉えておく方が良さそうだ。

 一方音声でよく買われるアイテムが、コスメやトイレタリーと言った日常消耗品なのは不思議なことではないだろう。

 継続性が高いアイテムであり、購買時に比較検討といった消費者の思考が多く関与する「高関与商材」のようにスペックや口コミを事前に確認する必要がないためだ。過去に買ったことのあるアイテムなら使用感はわかっているし、買ったことがなくても低価格のものであればリスクも低い。

 自分が思いつくブランド名や、商品の一般名詞(“歯磨き粉”、”トイレットペーパー”など)をワンクリックならぬワンボイスで伝えるだけで注文が完了する。

 米国のデジタルエージェンシーBobsled Marketingの調査によると、消費者が例えばAmazon Echoを使って音声で商品を買おうとした際に、下記のような順序で音声アシスタントが商品をレコメンドする。

  1. 「Amazon’s Choice」に該当する商品
  2. 以前に注文したことがある商品
  3. Amazonにおける検索結果で1位になっている商品

 まず、「Amazon’s Choice」に該当する商品をオススメし、ユーザがそれを受け入れなければ今度は以前にユーザが買った同じ商品を、それも気に入らなければAmazonにおける検索結果で1位になっている商品を提示する。

 いずれの場合でも、消費者に対して検索結果一覧のような選択肢は提示されない。消費者は声で簡単に注文できる利便性と引き換えに、商品を細かく比較・選択できる権利を放棄するのだ。

 現在のボイスショッピングの利用率は、前述のようにまだまだ発展途上だ。

 では仮に“声や会話を通して商品を買う”という行為が一般化するとしたら、それはどのような消費者のニーズに答えるからだろうか。

 その疑問に答える一つの調査結果が、アクセンチュアが2017に実施した調査により浮かび上がった消費者の“無関心化”だろう。先進国を中心として、商品やサービスを主体的に選択する行為やブランドのロイヤルティに対する熱量が低下しているというものだ。

 またアクセンチュアは今年の調査においても、“デジタル・ディスコネクト”と称し、デジタルによる情報過多・オーバーコミュニケーションに疲れ、実際の人からの信頼できる情報や心のこもったやり取りを再び希望する消費者の姿を描き出した。詳しくは実際の調査データをご覧頂きたいが、例えば下記のような結果だ。

  • 58%の消費者は質問に早く答えが欲しい時は人のほうがいいと思っている。
  • 73%の消費者はアフターサービスの問題を解決するには人とやり取りするほうがいいと思っている。
  • 73%の消費者は良いアドバイスを得るための適切な人を探している。

 つまるところ、インターネットは膨大な情報を提供するが、結局はその道に詳しい人に聞くのが一番ラクだし早いということだろう。ググればいいのについ人に訊いてしまうという経験をしたことのある方も多いはずだ。

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この記事の著者

長友 裕輝(ナガトモ ヒロキ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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