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音声AIプラットフォーム戦略

検索とスマホとジオデータのGoogle、決済と空間のAmazonに学ぶ「音声AIプラットフォーム戦略」

第2回 

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 本連載では、GoogleやAmazonなどがこぞって開発しているアシスタントAI技術、その開発プラットフォームが開放されることで生まれるエコシステムに注目する。この新しいエコシステムにおいて、非テック企業が自社サービスをどのように位置づけ、活用し、競争優位性を獲得していくのか。数回に分けて解説していきたいと考えている。今回は、音声AIプラットフォーム市場をリードする、GoogleとAmazonの戦略の違いを解説する。このエコシステムで、どのように今後ビジネスを成立させていくべきなのか。その戦略を読者とともに考えていきたい。

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音声AIプラットフォームでの「BtoC戦略」──“決済と空間”のAmazon(1)

 音声アシスタントAIは、Google、Amazon、Microsoft、Apple、LINE、NTTドコモ、Baiduなど様々な国の主要なテック企業が軒並み参入しているが、コンシューマ市場においてはデバイスのシェアや自然言語処理AIの精度などで、現時点で最もリードしているのはAmazonとGoogleであろう。

 この2社の最近の動向から、両社の戦略の違い、影響を受ける可能性の高い産業を考えてみたい。

 スマートスピーカーを最初に市場に投入したAmazonの強みは、なんと言っても自社の購入チャネルとシームレスに繋がる連携性、および家庭・ホテル・オフィスといった異なる特徴をもつ様々な空間において最適化された機能とデバイス群だろう。

 Amazonはスマートスピーカーを発売した2014年から、音声UIと購入チャネルの利便性が発揮されるダイニングシーンにおいて、様々な機能や追加してきた。大手レシピサイトAllrecipes.comとAmazon Freshとの連携、消費者のニーズや好みに応じたレシピや食事計画を支援するサービスとの提携などの施策にも余念がない。ダイニングシーンにおいて、「ものを買う」行為の手前に存在するニーズに応える。このことで家庭空間における総合的なプレゼンスを獲得、強化しようとしている。

 Amazonが期待するシーンは料理に限ったものではない。セルフィー文化や自社のアパレルサブスクリプションビジネスと連動した「Echo Look」というファッション特化型デバイス。幼児と共に利用することに特化した「Alexa for Kids」。これらにより、デバイスとサービスの両面から家庭内の各シーンに最適化しようとしている。

Amazon Echo LookAmazon Echo Look」では、内蔵カメラによるセルフィー撮影だけでなく、AIがコーディネートの評価・提案もする。一方で消費者の体型や嗜好を学習し、同社が展開しているアパレルサービスの品質改善・返品率の低下につなげていくはずだろう。

 前回紹介したように、家庭向け消費財を提供するメーカーはAmazonの提供するAlexaを活用することで家庭のシーンにうまく入り込み、自社のサービス/商品との接触機会を増やすことができる。しかし、小売業やAmazonのPBと競合する商品を扱うメーカーにとっては脅威になりうる。購買チャネルの一つとしてのAmazonプラットフォームだけでなく、音声アシスタントというエコシステム全体の中で、「自社の勝ち筋」を早いうちから見極めていくことが重要となる。

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この記事の著者

長友 裕輝(ナガトモ ヒロキ)

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