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「スケール・ディーパー」とは何か

クリエイティブとは「時間をかけて育てること」――時間軸を変えるスケール・ディーパーの思考とは?

ゲスト:立正大学経済学部特任教授 鈴木 輝隆 氏【後編】

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 スケール・ディープ対談の一人目にお迎えするのは、立正大学経済学部特任教授の鈴木輝隆氏。ローカルとクリエイターをつなぎ、数々の地域ブランディングを成功に導いてきている鈴木先生は、“みつばち先生”との愛称で親しまれています。“みつばち”としての鈴木先生の長年の活動について、栗岡氏が「スケール・ディーパー」という切り口から尋ねました。  前編では、鈴木先生がみつばち先生と呼ばれる所以から、地域の人とクリエイターをつなぐ受粉活動などをお聞きました。後編である本稿では、「スタイルを持つことの重要性」「時間軸を変えるスケール・ディーパーの思考法」「未知化」などの話題を中心に、地域事例、ビジネス事例なども交えて進んだ対談内容をお伝えします。

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みつばち鈴木先生流、スケール・ディーパーの特徴「4つのP」の解釈とは?

栗岡大介さん(以下、敬称略):私がスケール・ディーパーの特徴に挙げた「4つのP」というのがあるんですが、まさにこれは先生の活動に当てはまるのではないかと思っています。Projects(企画)、Passion(情熱)、Peers(仲間)、Play(やってみること)です。これは、MITメディアラボの教育プログラムにある考え方(詳細は前回コラムを参照)です。

先生は特に、仲間を大切にされてますよね。先生から地域の話を伺う時に、とにかく人の名前がポンポン出てきます。名前や職業だけでなく性格まで全部覚えてらっしゃって毎回驚かされます。また、先生の仲間は地域課題を資源に変えるために努力されていらっしゃる方ばかりです。どうやって行く先々に素敵な仲間をつくっていらっしゃるのでしょうか。

鈴木輝隆さん(以下、敬称略):まず「すごい」と思ったらやっぱり素直に驚くことですよ。その人のビジョンへの情熱と行動、圧倒的な技術とか、自分には到底発想できないアイデアだ、とかね。そしてとにかく驚きを素直に言葉に出します。褒められたら嬉しいですよ、誰でも。自分にないものを妬んだってしょうがないじゃないですか。相手の才能や価値を素直に認めて尊敬して、その人と組んでやっていくのは純粋に楽しいことです。

今や世界で活躍している隈(研吾)さんとの付き合いももう25年以上になりますけど、当時、彼はあまり仕事がなく、「地方の面白いところ連れて行ってよ」と言われて、旅をしてきました。今では非常に忙しい人ですが、地方にたまに一緒に出かけています。ビジネスを越えて繋がっていられるのは、面白さ、楽しさを第一に追求しているというところがあるからでしょうね。

栗岡:やっぱり、楽しむことが大事ですね。情熱を持って遊ぶように行動していたら、仲間って集まってくる気がしています。

 

鈴木 輝隆(すずき てるたか)さん
1949年生まれ。73年北海道大学農学部卒業。神戸市役所、山梨県庁、総合研究開発機構主任研究員などを経て、現在、立正大学経済学部特任教授。観光まちづくり、地域経営、ローカルデザインなどを専門に、学生たちとフィールドワークを行う一方で、自らもクリエイターと共にさまざまな地域プロジェクトのアドバイザーや委員長を務める。著書に「田舎意匠帳(ろーかるでざいんのおと)」など。

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