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「スケール・ディーパー」とは何か

「スケール・ディーパー」こそ、日本のこれからを明るくするアントレプレナーである

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 日本は「スケール・ディーパー」のパラダイスになる!  人口減少、高齢化、空き家問題――日本は「課題先進国」と呼ばれ、先行きにネガティブなイメージを持つ人々が増えています。一方、課題を事業機会に変えることで成長を遂げる企業や人も、実は続々と誕生しています。特に、日本の端っこ(エッジ)に追いやられがちなローカル(地方)では、課題が山積みであるからこそ、むしろ世界のどこよりも早く難関な課題を解決でき、世界のエッジ(最先端)なイノベーションが生まれる可能性があります。  成長する彼らに共通するキーワードは、「スケール・ディープ」。社会課題を解決する方法の一つだと考えています。本連載では、運用会社でアナリストとして働く栗岡大介が日本各地でスケール・ディープする人々「スケール・ディーパー」を紹介し、日本のこれからの可能性を探ります。今回はその前提として、「スケール・ディープの概念」、「スケール・ディーパーの特徴」について説明していきます。

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「スケール・ディーパー」というイノベーターが日本を変える

 私は運用会社でアナリストという仕事をしています。運用会社とは、お客様からお預かりしたお金を投資・運用を行うことで増やす努力をしている組織です。そんな組織において私は企業の調査を主な業務としています。アナリストという職業は、英語の「Analyze(分析・分解する)」という言葉から派生したものですが、analyzeには「見つめ直す」という意味もあります。運用者というとモニターに映し出され、目まぐるしいスピードで変化する株価チャートと睨めっこしているイメージが強いかもしれませんが、私は日本中を駆け巡り、全国各地の成長企業や人との出会いを通じて日本の可能性を“見つめ直し”続けています。

 日々、各地を訪問し多くの人々との出会いを重ねるなかで、特にローカル(地方)で成長している人々には共通して「地域課題を資源に変える」力があることに気付きました。日本のローカルでは人口減少、高齢化、空き家問題など課題が増え続けていますが、ローカルで成長する人々は、それらの地域課題に向き合っているのです。一見すると経済規模(スケール)が拡大しないと思われる地域課題を掘り下げ、一方で異業種とのコラボレーションなどを積極的に行い、近江商人が好んだような「三方良し」(売り手よし、買い手よし、世間よし)のマインドを持って成長をしています。

 私は彼らのことを、地域課題をディープに掘り下げ、解決し事業を拡大することから「スケール・ディーパー」と呼んでいます。なぜ私が彼らに注目するかというと、彼らが掘り下げている日本の問題は、他の先進国も将来直面する可能性が高く、日本のスケール・ディーパーたちの動きを観察することで世界の未来が見えるかもしれないと感じているからです。

 同時に、地理的にも心理的にも、日本の隅っこに追いやられがちなローカルという場所で、スケール・ディーパーが繰り広げる成長ストーリーに世界が刮目する。そんな可能性が、地域課題の増加と共に高まっているように私の目には写っています。

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この記事の著者

栗岡 大介(クリオカ ダイスケ)

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