オラクルが示すSCMにおけるテクノロジー活用の最新動向
編集部:日本企業の経営戦略の核となる「調達イノベーション」に関してのセミナーを先日実施しました。現在は調達、そして経営戦略にテクノロジーが大きな影響を与える時代です。貴社は現在クラウドに注力なさっているとお聞きしましたが、今後大きな影響を与えるテクノロジーをどう活用していけばいいものでしょうか。
三谷:オラクルはデータベースの企業というイメージが強かったかもしれませんが、サン・マイクロシステムズ社を買収し、現在はアプリケーションやさまざまなソリューションを提供しております。SaaS、PaaS、IaaSといったすべてのレイヤーのサービスを、すべてクラウドで提供している点が、他社様との大きな違いです。
現在テクノロジーの利用がビジネス上で注目されていますが、注目される理由は、それらのテクノロジーが誕生したからではなく、浸透してきたからだという方が正しいと思います。というのは、振り返ってみるとEコマースを牽引するAmazonが誕生したのは1994年、モバイルコンピューターがiPhoneという形で出てきたのは2007年です。Google ストリートビューの誕生は2007年でした。IoTという言葉は新しい技術のように感じるかもしれませんが、シスコが提供を始めたのは2009年なのです。こういった世の中の技術をビジネスに活用することは非常に重要です。
編集部:しかし、ITを専門とする企業でない場合、浸透しつつある技術への対応はなかなか難しく、世の中にある技術を活用できないことが多いようです。
三谷:それに対してオラクルが出した答えがクラウドです。クラウドは一般的にはハードウェアやアプリケーションを保有せずに、外部からアクセスすることによって利用できるものだと認識されていると思います。その認識は正しいのですが、提供側からすると、常にサービスを技術に応じて進化させることができるという面もあります。
自社運用型のアプリケーションでは、購入いただいたのちに当社が機能をアップグレードした場合には、再度購入いただくまで新機能をご利用いただけませんでした。しかし、クラウドであれば常に最新機能をご利用いただけるのです。そして当社がAIやRPA、ブロックチェーン、機械学習といった技術基盤をアプリケーションの中に組み込んでご提供することで、お客様はそういった最新技術を、すぐに活用することができます。
編集部:機能のアップグレードの頻度や、追加される機能がどう決まるかを教えてください。
三谷:自社運用型のアプリケーションの時には、5年に1度という頻度でしたが、クラウドでは四半期に一度のペースのアップグレードを行っております。追加機能は業務上に必要だと思われる機能に加えて、お客様からエンハンスメントリクエストで寄せられる機能、新しく浸透しつつあるテクノロジーを活用して業務の効率化や高度化に繋げる機能等、さまざまな観点で決めていきます。