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ライオンの調達部門責任者と支援者が語る、経営戦略における「調達イノベーション」の重要性とは?

[公開日]

[語り手] 河野 淳 加藤 篤志 三谷 英介 [取材・構成] フェリックス清香 [写] 和久田 知博 [聞] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] クラウドコンピューティング 企業戦略 ERP 調達 SCM 資材・購買

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ライオンSCMが推進する調達イノベーション

編集部:貴社のSCMでは現在、イノベーションを推進しているそうですね。まずは、貴社のSCMの管理体制と物流フローを教えてください。

河野:当社のSCM本部は、需給管理部とサプライチェーン業務部、そして私の所属するSCM統括部から構成されています。需給管理部の役割は、事業部門の販売計画と、生産部門の生産計画を結ぶ需給調整機能を行うことにあります。サプライチェーン業務は受注業務を主に担当します。そしてSCM統括部は当社グループの物流子会社等とともにロジスティックの企画立案、実行を担っています。

また物流フローは、以下の通りです。まず外部のサプライヤーや関係会社から原材料を調達し、自社および関係会社の工場、製造委託先で製品を製造します。製品は自社および関係会社工場に併設される工場の中央倉庫、また外部委託先の製品に関しては東西に構えている倉庫2つにストックされたのち、全国の流通センターを経由してお取引先様に配送します。これが大枠の流れです。

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編集部:そこにどういったイノベーションを起こしているのでしょうか。

河野:日常品分野の配送先は、全国1300拠点ほどあります。これを現状、流通センターの在庫に関しては、営業部門が出荷の見通しに基づいてコントロールし、中央倉庫から補給要望を出すという運用をしています。ここでイノベーションを推進しています。2つの取り組みを紹介しましょう。

1つめは、生産・販売・在庫の見える化の精度をあげるという取り組みです。

従来、当社では月単位の需給の監視を行っておりましたが、日別監視に変更し、グラフとしてビジュアル化して見られるようにしました。それによって、月単位で確認すると生産と出荷についてはほぼ均衡し、在庫水準においてもほぼ均衡しているという見え方をしていたものが、日別に確認すると品切れリスクがあるということが見えてきます。その結果、営業部門や生産部門のコミュニケーションにも役立てられるようになりました。

2つめのイノベーションは、物流拠点の整備に関するものです。次の4つの取り組みをしています。

  1. 災害リスクの評価に基づくロジスティクス拠点の再配置
  2. 同じ製品を複数の生産拠点で生産
  3. 原材料調達に関する購買先を複数確保
  4. 受注業務の複線化とデータセンターの再配置

無駄を排し、災害等があったときにも製品を安定的に生産し、保管し、受注し、お届けするための体制を整えたということです。

海外事業でも、その地域の特性に合わせた形で同様の取り組みを行っております。たとえばインドネシアの工場では事業成長によって倉庫不足に陥りそうになりました。しかし、出荷計画と連動した生産、生産計画と連動した購買計画をマネジメントし、それによって在庫量そのものを減らして倉庫を増設せずに管理できています。

香港には生産拠点はなく、グループ会社から製品を輸入しています。在庫を保管する倉庫の維持費が高額なため、香港に倉庫をおかず、輸出国に専用の倉庫を構えて輸出のリードタイムを短縮するという対応をとり、必要以上に輸送を行わずに済むように管理をおこなうことで対策しています。

とはいえ、海外に関してはロジスティクス面、マネジメントの面でも課題もあります。その部分はヤマトグローバルロジスティクス様などに支援をいただくなど、外部の企業様の力をお借りしながらイノベーションを進めております。

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