ガートナーは、2019年のCRMとCXについて「デジタル・トランスフォーメーションにおける顧客中心主義の追求」にフォーカスして予測した。顧客中心主義とは、「顧客を中心に据え、顧客のニーズや課題を見つけ、顧客満足を維持するために企業の意思決定を下すこと」とガートナーでは定義している。
ガートナーのマネージング バイス プレジデントのジーン・アルバレス(Gene Alvarez)は、「今後数年にわたり、アナリティクスと人工知能(AI)を使って顧客サポートにおける対話の意義を高めることが、卓越した顧客サービスの鍵になります」と語った。
ガートナーは、2021年までに、全世界における顧客サービス応対の6分の1近くがAIで処理されるようになると予測している。今後数年のうちに、AIの実践的な導入が進み、顧客サービスや顧客サポートにおけるAIの活用は当たり前になるという。
ガートナーの最近のサーベイでは、顧客サービス組織を持つ企業の36%がAIテクノロジを利用または試用していることが明らかになっている。
また、2025年までにマルチチャネル顧客エンゲージメント・プラットフォームにAIを採用する企業は、業務効率を25%改善すると予測する。AIソリューションが成熟することで、顧客応対におけるセルフサービスの割合は、2018年の50%から2022年には64%に増加するとみている。
顧客戦略の策定に当たり、CXリーダーは、AI、チャットボット/仮想アシスタント(VA)、ゾンビ・アプリ、拡張現実/仮想現実(AR/VR)、リアルタイム・ケイパビリティ、データ・プライバシーなどについて、幅広い観点から見解を持つ必要がある。
ガートナーはそのほかに、以下の3点の予測を挙げた。
- 2018年に提供が開始されるボット/VAアプリケーションの40%は、2020年までに廃止される
- 2022年より前に、CRMプロシージャにおける不十分なプライバシー管理に起因するGDPR違反に対し、規制によって最大規模の制裁が課される
- 2023年までに、相互接続されたデジタル・ビジネス・エコシステムに参加する企業では、自社の顧客サービス案件の40%が、エコシステム内のパートナー企業によって開始されるようになる