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“場”から始めるワークスタイル変革

“場所”と“時間”から働き方を改革するABW──会社の業務を「個人の活動」で分解する働き方とは?

第1回

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 2019年4月より「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が施行された。企業は「働き方改革」を実現しつつも企業として成長し続ける“生産性の向上”が求められているのだ。そこで「在宅勤務制度」「ペーパレスの推進」「フリーアドレス」「ITツールのモバイル化の推進」など、個別の施策が採られるようになったが、それらを包括した“目指すべき働き方”として示せている企業は少ない。  私たちは、ルールを変えるだけでなく、働く人一人ひとりの行動や習慣も大きく変える必要があると考えている。そこで注目しているのが“Activity Based Working”、(ABW)である。  オランダ発祥の「自己裁量を最大化し、ワーカー自らが働き方を自律的にデザインする総合的なワークスタイル戦略」であるABWは、日本の働き方改革にどのような可能性をもたらすのだろうか。今回は、ABWがオランダの働き方改革で生まれた経緯と、オーストラリアでの普及、両国と比較したときの日本の課題を紹介する。

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最も生産性が高い場所と時間と相手を選ぶ働き方“ABW”

 「働き方」とは非常に厄介な単語です。国が進めている「『働き方』改革」の文脈において、「働き方」は賃金や雇用体系といった制度的な内容で語られています。しかし、オフィスをデザインする立場での解釈では、「働き方」は、組織形態や業務プロセス、ITインフラのような「組織的な仕組み」から、ITツールの使い方や会議・作業の進め方といった「行動や文化」まで幅広く包含しています。

 国や企業による制度の変更や導入だけでは、「行動や文化」まで根本的に変えることはできず、働き方は変わらないだろうと私たちは考えています。「残業を制限する法律を作ります。皆さん残業を減らし、生産性を上げましょう(でも成果はこれまで通りでお願いします)」とだけ言われても、自分の労働時間を減らすことは難しいでしょう。

 私たちは、「働き方改革」とは「働く人の行動を変える」ことだと考えています。制度やITインフラ、ツール、オフィスデザインといった「働き方」に関連する要素は、「働く人の行動をどのように変えることができるか」を軸に組み立てていくべきではないでしょうか。

 働く人の行動を変えるための有効な枠組みがActivity Based Working(ABW)です。

 私たちが提唱するActivity Based Working は「自己裁量を最大化し、ワーカー自らが働き方を自律的にデザインする総合的なワークスタイル戦略」のことです。働く人たちがそれぞれの“活動”に合わせて“働く場所”と“時間”を自ら“選択”し、仕事の品質を向上させることで、顧客への提供価値を高めていくという考え方です。

 ABWという言葉を「いつでも、どこでも、誰とでも働く」という働き方という意味で、すでに聞いたことがある人もいるかもしれませんが、私たちが提唱しているABWは、個人や組織の活動をより詳細に捉え、”活動に合わせて”いつでも、どこでも、誰とでも働くという点に重きを置いています。

 ここでいう “活動”とは、業務そのものではなく「その会社で共通の行動の単位」を指します。

 たとえば、「個人作業」や「会議」などがこれにあたります。また「場所を選択する」とは、「家」か「オフィス」のように他の拠点を選択できることだけではなく、オフィスの中でも「集中エリア」や「リラックススペース」のように異なる役割を持つ場所を選択することも含まれています。また「時間の選択」についても、「フレックスタイムで自分の都合の良い時間に働く」という意味だけではなく「就業時間内で、自分の集中量が最も高い時間に集中作業をする」という意味も含まれています。時間、場所ともに、選択肢の幅は広い方がいいのですが、それはその企業の文化や業務内容によっても異なると思います。

 今回のテーマであるABWの重要なポイントは「個人がある活動をするために、最も生産性が高い場所と時間と相手を選ぶ自由がある」ことです。これは、政府が掲げる働き方改革の目的である「個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で『選択』できるようにするための改革」とも合致し、今まさに日本で求められている「ワークスタイル戦略」といえます。

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オランダの企業が実践した、会社と社員、社員同士の強い信頼関係を基盤とした働き方

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この記事の著者

筧田 昭文(トイタ アキフミ)

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