矢野経済研究所は、2018年のADAS（先進運転支援システム）／自動運転システムの世界搭載台数が、前年比24.3％増の2,385万4,000台だったと発表した。自動運転のレベル別では、自動ブレーキや衝突警報などで標準化が進んでいるADASのレベル1が2,114万8,000台で世界市場全体の88.7％を占める。ステアリング操舵とブレーキ／アクセルを同時に自動化するレベル2の運転支援システムは270万4,000台で、日欧の自動車メーカーを中心に高級車から中級車まで搭載車種が広がっている。

　本調査では、DMS（運転者監視システム）によるハンズオフ機能や、V2X（車車間・路車間通信）と地図情報を利用して堅牢性を高めたものをレベル2＋と定義している。2018年においてレベル2＋相当の自動車はGMの1車種で、搭載台数は2,000台であった。

　2020年以降に最も成長するのがレベル2の運転支援システムで、レベル2とレベル2＋を合計した世界搭載台数は、2020年に595万8,000台、2023年にはレベル1の搭載台数を上回り3,289万8,000台に増加する見通し。

　将来の展望として、2030年におけるADAS／自動運転システムの世界搭載台数が8,249万9,000台に達すると予測する。

　このうち、レベル1は2025年以降日米欧中からASEAN諸国、インドなどの新興国に需要の中心が移り、2030年の搭載台数は1,274万5,000台になると予測。レベル2とレベル2＋の合計は、2025年に4,347万5,800台、2030年には5,072万4,000台に達する見通しだ。2025年以降はV2Xの普及が日米欧中で進むことから、2030年のレベル2＋の搭載台数はレベル2を上回り2,970万台に成長するとしている。

　2025年以降、レベル3とレベル4のシステムコスト差が縮小することから、高級車を中心にレベル３からレベル4（高速道路限定）への切替が進む。そのため、レベル3の自動運転システムの搭載台数は、2025年から2030年では横這いにとどまると予測する。

　レベル4以上の自動運転システムについては、日米欧中において2020年からカーシェア／ライドシェア、公共交通、物流などにおいて自動運転車の試験的利用が始まる。その後、2023～2024年頃からの本格的な実用期間を経て、2025年以降に拡大するとみる。レベル4、レベル5の世界搭載台数は、2025年には179万5,600台、2030年には商用車に加えて乗用車での搭載も期待できることから、1,530万台に成長すると予測している。

ADAS／自動運転システムの世界市場規模予測