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テクノロジーが農家の“生産”と“ビジネス”を変える──クボタが進める「日本型精密農業」とは?

 農業人口の高齢化と後継者不足といった深刻な営農課題に直面している日本。この危機的状況を変革するべく、農業機械のリーディングカンパニーであるクボタが立ち上がる。2019年12月13日に開催されたマイナビニュースフォーラム 2019 Winter for データ活用で、「農業を強いビジネスに!クボタの次世代ビジョン」をテーマに、株式会社クボタ特別技術顧問 工学博士 飯田聡氏が日本の農業を強いビジネスに変貌させる仕掛けについて語った。創業以来、日本の農業を支えてきたクボタの「底力」なるものを本記事で紹介する。

[公開日]

[取材・構成] 保 美和子 [写] 黑田 菜月 [編] 梶川 元貴(Biz/Zine編集部)

[タグ] 事業開発 テクノロジー スマート農業

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日本の農業が抱える“4つの課題”

 飯田氏はまず、日本の農産業の現状について紹介した。

 日本の農業就労者人口は高齢化、離農により減少の一途をたどり、就労者平均年齢67歳、稲作に限ると平均年齢69歳、50歳以下は15%程と危機的な状況である。現在進行形で進む農業の縮小に歯止めをかけるために日本政府も動いており、ひとつに農地の貸し手と借り手をマッチングさせる「農地バンク」という施策がある。政府は、効率的かつ安定的な農業経営を行っている経営体とそれを目指している経営体である「担い手」を増やそうとしており、「担い手」が占める土地の割合を現在の56%から2023年までに80%までに引き上げる目標を掲げている。

 有効な手段と思える「農地バンク」であるが、それだけでは農産業が抱える課題は解決できないと飯田氏は語る。

 日本の農地は非常に小さく、就農者が利益を出すためには多数の農地の管理をする必要がある。そのため、収穫量や品質の低下、増加する作業者管理の問題などが発生してしまうのだ。また、担い手たちに対するノウハウ伝承や人材育成も十分に行き届いていない。つまり、これまで通りのやり方では解決せず、仕組みそのものを変える必要があるのだと話す。

 飯田氏は、前述の課題に加え、日本農業の課題として以下の4点を挙げた。

  1. 儲かる魅力的なビジネスへの転換
  2. 重労働からの解放、働き方改革により若者の参入を促進
  3. 中山間地を含め農村の活性化を図り、農業の多面的な機能維持
  4. 気候変動に強く持続可能な農業

 これらの課題をクボタは「スマート農業」という新たなソリューションで解消し、農業の未来を変えることを目指す。スマート農業を実現するため、同社は2011年から研究開発を行っており、大きく3つに集約している。

  1. データ活用による精密農業
  2. 自動化・無人化による超省力化
  3. 省力化・軽労化

 稲作が主軸である日本の農業において、これまでメーカーとしての研究開発の焦点は機械化であった。しかし、今後は “データ活用” “自動化・無人化” “省力化・軽労化”による新たな農産業の実現に注力すると飯田氏は話す。

 では、 “データ活用” “自動化・無人化” “省力化・軽労化”とは一体どのようなものなのか。

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