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Ales、AIによるストーリー生成ソフトウェアのプロトタイプ「フルコト」の開発に成功

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 Alesは、AIによるストーリー生成ソフトウェアのプロトタイプ「フルコト」の開発に成功したと発表した。

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 フルコトはAlesが独自に開発したP-S-L技術を利用して、脚本家の創作手法に沿ったストーリーを出力する世界初のAIシステム。Alesは、AI研究の第一人者で、はこだて未来大学副理事長の松原教授が取締役会長を務める、自然言語処理分野におけるAI開発を主軸としたAI開発ベンチャー。

フルコトの機能概要

 日本固有の起・承・転・結という創作手法を学ぶため、Alesが最初に始めたのは、一線で活躍する脚本家や作家からのヒアリング。そこから、起・承・転・結の創作手法とAIを繋ぐ独自のデータフォーマットが生まれたとしている。起・承・転・結の創作手法を独自のデータフォーマットを使用し、AIによる創作へと昇華させた結果、生まれたのが「フルコト」だという。「フルコト」のベースとなっているのは、Alesが開発したP-S-L技術。

 P-S-L技術とは、(P)プロットライングラフ、(S)感情分析(Sentiment Analysis)、(L)ログラインという、3つの要素を複合的に評価、判断することで、人間が理解できるストーリーを起・承・転・結に則して作成する技術。今回のプロトタイプでは、短編映画の映像制作に耐えうる、脚本の生成に成功したと発表している。

松原仁氏のコメント

「人工知能が、与えられたむずかしい問題を解くことは、将棋や囲碁で名人を越えたことからもわかるようにある程度できるようになってきました。しかし、新たなものを創り出す創造性については、人工知能では、まだ人間に遠くかないません。8年ほど前から、コンピュータに星新一さんのようなショートショートを生成させることを目指す「きまぐれ人工知能プロジェクト作家ですのよ」をスタートさせて研究を行なってきました。2015年に人間とコンピュータが共同で作った作品を星新一賞という文学賞に応募したところ、一次審査を通過したということで大きなニュースになりました。小説を作ることは、ストーリーを作る、そのストーリーを日本語の文章にする、という2つのステップに分けることができますが、人工知能が担ったのは後半の部分でした。前半のストーリーを作る部分も人工知能に任せたいということで、その部分に集中して試行錯誤を重ねてきましたが、このたびその第一段階として「フルコト」を作成しました。このシステムはまだ試験版ですが、起承転結に沿った破綻のないストーリーを生成することができます。ストーリーは映画、マンガ、アニメ、ゲームそして小説の共通の基盤になるものであり、これから「フルコト」の本格版の開発を目指して頑張っていきたいと思います」

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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