新型コロナウイルス感染症拡大が、景気の悪化や企業の業績悪化をもたらす恐れが強まっている。同感染症の収束見通しがつかない中、経済産業省は、2020年2月28日、全国47都道府県の中小企業を対象とした資金繰り支援策について発表した。
マネーフォワードシンカにも、スタートアップ企業から「将来に備えて戦略的に資金調達を検討したい」といった相談が増えているという。一方で、投資資金を充分に確保し「このような状況だからこそ、スタートアップのサポートをしたい」といった投資家の声も多く寄せられ、20社以上のベンチャーキャピタルから賛同が得られた、取り組みを開始した経緯を説明する。
マネーフォワードシンカは、「経営者の想いとSynchronizeし、経営者とともに進化する」というミッションのもと、成長企業にフィナンシャルアドバイザリーを提供している。今後もスピーディーで柔軟な施策を実施し、スタートアップ企業の戦略的な資金調達および、スタートアップ業界におけるエコシステムのさらなる活性化を支援していくとしている。
参画するベンチャーキャピタル一覧(2020年3月4日現在)※アルファベット順、敬称略
暁翔キャピタル/有安伸宏(エンジェル投資家)/デライト・ベンチャーズ/DNX Ventures/イークラウド/フューチャーベンチャーキャピタル/ジェネシア・ベンチャーズ/グローバル・ブレイン/Global Catalyst Partners Japan/グローブアドバイザーズ/グロービス・キャピタル・パートナーズ/Hike Ventures/インフィニティベンチャーズ/ いよぎんキャピタル/ジャフコ/KVP/。Fund(マルファンド)by リノベる/ニッセイキャピタル/Plug and Play Japan/Spiral Capital/STRIVE/WiL/XTech Ventures
ベンチャーキャピタルによるコメント
グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー 高宮 慎一氏
「新型コロナウイルスの感染拡大の防止において、私達企業や個人は、公的機関や専門家の呼びかけに応じて、リモートワークや時差出勤、休みやすい環境の整備、手洗いや換気の推励など、一人一人ができることをしっかりと努めることが大切だと思っています。
一方で、コロナウイルスが、短期的にもたらす経済への影響については、私達ベンチャーキャピタル(VC)は、その本分たるスタートアップへの投資支援を精力的に継続することこそが、持ち場を守ることだと信じています。
積極的に投資支援を継続するVCが限定的だったリーマンショックや東日本大震災時と比べ、今では日本のVC業界はすそ野が広がり、供給可能な資金総額も大幅に増えています。また、今回のコロナウイルスの感染拡大は、中長期的な視点で見ると、事業の本質やビジネスモデルを大きく毀損する訳ではありません。さらに、リモートワークなどテクノロジーを活用した新しい働き方やサービスの提供のしかたが普及する契機にもなりえます。 私達VCは、積極的にスタートアップへの支援を続けることで、日本の新たな産業の芽を守り、育んでいきたいと考えています」
STRIVE 代表パートナー 堤 達生氏
「今回のコロナショックがスタートアップのビジネス、資金調達に与える影響ですが、ビジネスに関しては一時的に大きな影響が出ると思います。しかしながら、過去のリーマンショックやバブル経済の崩壊と違って、信用収縮が起きているわけではなく、消費活動の一時的な停滞とインバウンドによる特需が減ったことによる実体経済の縮小が進行しているものなので、その範囲は限定的です。但し一部の業種は、回復までに時間がかかると思います。
資金調達に関して、実はそれ程大きな影響はないと思っています。VCを中心にリスクマネーの絶対量は近年増え続けており、資金の循環は止まっていないからです。但し、これまでのように実態以上に高い評価額の調達は少し調整が入るかもしれません。
我々のファンド(STRIVE)では、景気の波に左右されず、常に優れた起業家と共に新しい産業を作っていきたい考えており、マネーフォワード社のような金融プラットフォームの会社と一緒にスタートアップのエコシステムを支えていきたいと思っています」
オンライン資金調達相談の流れ
1:スタートアップ企業の募集
入力フォームに必要情報を記入し、面談を希望するベンチャーキャピタルを選択。
2:オンライン面談マッチング
ベンチャーキャピタル宛に、マネーフォワードシンカより「面談を希望する企業リスト」が届く。双方のマッチングが成立した場合、オンラインにて面談を実施。