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イトーキのAX戦略:DXの先にある「時間を買う」倍速経営、AIで加速する「構え、撃て、狙え」文化とは

「ITOKI OFFICE AI AGENTS」記者発表会レポート

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 2026年2月20日、オフィス家具大手のイトーキは、新AIエージェント「ITOKI OFFICE AI AGENTS」の発表会を開催した。1890年の創業以来、日本のオフィス環境を支えてきた同社が今、経営の舵を大きく「AI」へと切っている。同社が掲げるのは、単なるDX(デジタルトランスフォーメーション)を超えた「AX(AIトランスフォーメーション)」だ。本記事では、代表取締役社長の湊宏司氏が語るAI経営の本質から、同社が提唱する「オフィス3.0」を加速させる具体的なAIソリューションの全貌を詳説する。

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AIは時間を買うための投資。湊社長が語る「倍速経営」の真意

 発表会の冒頭、代表取締役社長の湊宏司氏は、老舗オフィス家具メーカーがなぜAIに注力するのか、その根本的な思想を明かした。湊氏によれば、AIの価値は一言で言えば「時間を買うこと」に集約されるという。

 「AIは指数関数的な利益成長の『時間(t)』の部分に効いてくる。1年かかっていたことを四半期で、つまり4倍速で実行できれば、利益のインパクトは劇的に変わります」と湊氏は強調する。同社はこれまで、オフィスをデータドリブンに改善し続ける「オフィス3.0」を提唱してきたが、その進化を加速させる触媒こそがAIなのだ。

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 湊氏は自社のカルチャーを「構え、狙え、撃て」ではなく「構え、撃て、狙え」だと表現する。まず実行し、その結果から次を狙う。このスピード感を実現するために、社内業務の徹底的なAI活用と、顧客向けサービスのAI化を同時に推進している。

 「『明日の「働く」を、デザインする。』をミッションとする我々自身が、AIで働き方を徹底的に変革しなければならない」と湊氏は語った。

複雑化する「人的資本」をAIで解き明かす

 続いて登壇した常務執行役員の八木佳子氏は、顧客向けAI戦略の核心について語った。イトーキが2年前から推進してきた「オフィス3.0」は、オフィスを「作って終わり」ではなく、データに基づき運用の中でアップデートし続ける概念だ。

 「もはや人の手で分析できる領域を超えています。変化にアジャイル(俊敏)に対応するには、AIの力が不可欠なのです」と八木氏は指摘する。これまで同社の専門コンサルタントが担ってきた課題の読み解きやシミュレーションを、AIが代替・支援することで、顧客自身が主導して「ハイサイクル」なオフィス改善を回せる環境の構築を目指している。

「オフィスAIエージェント」がもたらす、自律的なワークプレイス

 八木氏は、2026年後半にリリース予定の「オフィスAIエージェント」の主要な3つの機能を、デモンストレーションを交えて詳細に解説した。

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 1つ目は「ファシリティポートフォリオAI」だ。これはWi-Fiやビデオ会議デバイスから得られる位置情報を統合し、全拠点の稼働状況をリアルタイムで一元把握するものだ。特筆すべきは、AIによる「予兆検知」と「シミュレーション」である。稼働率の偏りや余剰スペースを検知するとAIがアラートを出し、チャットを通じて「若手向けの1on1スペースに転用した場合、何席確保できるか」といった具体的な提案を瞬時に行う。

 「グループ経営を行う企業にとって、全拠点の状況を統合的に把握し、最適なスタッキング(フロア配置の最適化)を検討することは、経営資源の最適化に直結します」と八木氏はその価値を説く。

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 2つ目の「ワークプレイスインサイトAI」は、施設管理担当者のための強力な武器となる。図面データ、現場写真、アンケート結果などの定性・定量データをAIが統合分析し、イトーキ独自の指標で「戦略適合性」や「生産性」を可視化する。

 「『予算が限られている中で、どこに優先的に投資すべきか』といった現場の切実な問いに対し、AIが根拠を持って優先順位を提示します」と八木氏は語る。これは、これまで同社の熟練コンサルタントが時間をかけて行ってきた業務を、顧客の手元で再現可能にするものだ。

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 そして3つ目が、ワーカーの利便性を直接高める「スペースマッチングAI」だ。予約されているのに使われていない「空予約」をセンサーで検知し、AIが予約者とコミュニケーションを取って自動開放する。さらに、予定の内容から「ホワイトボードの予約も必要では?」と先回りして提案を行う。「予約行動という付帯業務にかかる時間を最小化し、ワーカーが本業に集中できる環境を作ります」と、AIが実務をサポートする具体像を示した。

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イトーキのAXの中核、「無限ループ型」進化モデル

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この記事の著者

栗原 茂(Biz/Zine編集部)(クリハラ シゲル)

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