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FP&A組織の実装を今すべき理由──「事業性融資推進法」と「管理会計資格の日本語化」の相乗効果とは

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 日本企業の資本効率と企業価値の低さが、長らく資本市場の課題となってきた。東証による「PBR1倍割れ」への改善要求や、2026年6月から施行される「事業性融資推進法」など、企業を取り巻く外部環境は激変している。こうした中、今最も注目されている職能が、財務戦略と事業戦略をつなぐ「FP&A(財務計画・分析)」だ。本レポートでは、米国管理会計士協会(IMA)が開催した記者説明会に基づき、IMA日本支部共同代表の石橋善一郎氏、理事の矢理田圭氏、アジアパシフィック担当のマルセル・エバルス氏の登壇内容を詳報。日本企業におけるCFO組織の欠如という本質的課題から、管理会計の国際資格「US-CMA」の日本語化がもたらす人材育成の未来までを深掘りする。

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CFO不在のガラパゴス体制が「稼ぐ力」を削いでいる

「グローバルな視点から見れば、日本の上場企業にCFO(最高財務責任者)がいないのは、株式会社に社長がいないのと同じくらい不思議な状況です」

 米国管理会計士協会(IMA)日本支部の共同代表であり、多くの経営大学院でFP&Aを教える石橋善一郎氏は、日本企業の現状をこう一喝した。石橋氏によれば、国内上場企業約4,400社の中で、真の意味で「企業価値を上げる」責務を負ったCFOが存在する企業は極めて稀だと言う。

 石橋氏は、日本企業には「二つの壁」が存在すると指摘する。一つは、グローバル企業にはない「経営企画部門」が予算管理を独占し、経理・財務部門が「財務報告・財務統制(守り)」に特化することが多いこと。もう一つは、本社と事業部の間に深い溝があり、戦略が実行に紐付けられていないことだ。

 「どんなに財務報告を正確に行っても、それだけでは企業価値は1円も上がりません。企業価値とは将来生み出すキャッシュフローの総和であり、それを最大化させる仕組みこそがFP&Aなのです」と石橋氏は語る。

「中計廃止」からROIC経営とFP&Aの実装へ

 この10年、日本でも「伊藤レポート」や「コーポレートガバナンス・コード」により、資本コストを意識した経営の機運は高まり、実際に多くの取り組みが推進されてきている。その中で、先進的な企業は既にFP&A組織の構築へと舵を切っている。

 石橋氏が好事例として挙げたのが味の素[1]だ。同社は2年前、従来の中期経営計画を事実上廃棄し、本社と事業部にFP&Aを配置。ローリング予測(予測の継続的な更新)をベースとした経営管理へと移行した。「中計を達成すること自体が目的化し、企業価値が上がらない状況を打破した好例です」と同氏は解説する。

 FP&Aとは、単なる予算管理ではない。事業戦略に深く踏み込み、販売・生産計画から貢献利益率、固定費削減までを「管理会計」の視点で支援するプロフェッショナル集団だ。「売上高を長期的に成長させ、事業価値を最大化する。そのための管理会計の仕組みを日本企業に入れ直さなければならない」と石橋氏は、経営企画や財務部門の役割の再定義を強く訴えた。


[1]味の素グループが中計を廃止し目指すこと──FP&Aが主導する「2030ロードマップ」達成の算定式とは』(Biz/Zine、2026年2月)

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「事業性融資推進法」がもたらす、経営管理の大きな変化

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栗原 茂(Biz/Zine編集部)(クリハラ シゲル)

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