資料作成は、作成する前の「始めが肝心」
私は20代のころ資料作成で苦労しました。「もっと簡潔に!」「それだけ?」「で?」などお叱りの言葉をよく頂戴しました。たとえば、「もっと簡潔に!」と言われた原因は忙しい上長向けに分厚い資料で説明しようとしたから、その逆に「それだけ?」と言われたのは詳しい資料が必要なのにあっさりしすぎていたから、「で?」と言われた原因は直地点が見えない資料だったから、などです。後から冷静に考えてみれば、資料作成の出発点ですでにずれていたのです。
「始めが肝心」とはよく言ったもので、資料作成にも当てはまるのです。資料作成の目的や位置付けが最初にずれると、どんなに見た目の美しい資料でも使えない資料となります。最初の小さなずれが大きなずれになり、行動を促すどころか混乱のもとになります。
このような失敗を避けるためにも、資料を作る前の準備段階で次の3つのポイントを明らかにし、資料のベクトルを明確にすると良いでしょう。
- 位置付け(shape & positioning)
- 期待値(who & value)
- 方向性(before & after)
次のページから、それぞれについて説明していきます。