当調査は、新卒採用の現場において、学生の“創造的問題解決能力”がどの程度重視されているかを調査するもので、2018年に引き続き第二回目の実施となり、新型コロナウイルス拡大による影響や2年間での変化などを検証したもの。
今回の調査で明らかになった主な結果は以下の通りで。
- コロナウイルス感染拡大の影響で、就職人気企業の58.6%が採用減予定
- 就職人気企業の73.7%はオンライン採用を実施
- 新卒採用で最も重視されるスキルは2018年と変わらず「課題解決方法の発想力/着想力」
- 就職人気企業では「デジタルリテラシー(ITを使いこなせる能力)」と「クリエイティビティ/創造性」の重視度が高まっている
- 会社で必要なデジタルリテラシーは、アプリやWeb、動画制作などクリエイティブ系ツールのスキルニーズが高まっている
- 就職人気企業では85.5%が専門部署以外でもクリエイティブ系ITスキルが必要と回答
コロナウイルス感染拡大で担当者の8割以上が採用に影響ありと回答、就職人気企業では約6割が採用減予定
今回の調査では、担当者の81.2%が「新型コロナウイルスの感染拡大が新卒採用に影響を与えている」と回答。実際に全体の48.2%、就職人気企業では58.6%が今後採用を減らす予定という結果になった。
就職人気企業の7割が「オンライン採用」をすでに実施
活用が広がっている「オンライン採用」は全体の59.6%、就職人気企業では73.7%がすでに実施していると回答。全体の91.2%が今後も引き続き取り入れる予定であることから、新卒採用の“ニューノーマル“となることが想定される。
新卒採用で最も重視するスキルは2018年と変わらず「課題解決方法の発想力/着想力」
新卒採用において特に重要視するスキルとして、最も多くあげられたのは2018年と同様「課題解決方法の発想力/着想力」。また「デジタルリテラシー(ITを使いこなせる能力)」の重要度が増している傾向があり、とくに就職人気企業ではそれに加えて「クリエイティビティ/創造 性」の重視度が高まっているという特徴がみられた。
アプリやWeb、動画制作などクリエイティブ系ツールのスキルニーズが高まっている
会社で必要なデジタルリテラシーの詳細を聞いたところ、就職人気企業ではそれ以外の企業と比較してクリエイティブ系ツールのスキルを重視する度合いが高く、アプリやWeb制作が14ポイント差、動画編集12.6ポイント差、写真加工が12.1ポイント差などとなった。今の学生に不足していると思うデジタルリテラシーについても、就職人気企業が重視しているスキルには同様の傾向があった。
就職人気企業の85.5%が専門部署以外でもクリエイティブ系ITツールのスキルが必要と回答
近年では、企業の様々な部署でクリエイティブツールが使われるようになってきている。そこでデザインなどの専門部署以外でも、クリエイティブ系のITツールを使いこなす能力が必要だと思うかどうかを聞いたところ、全体の70.6%が必要だと回答し、特に就職人気企業では85.5%と高い傾向となった。さらに、このようなスキルが具体的にどのようなシーンで必要とされるかを聞いたところ、動画の作成やプレゼン資料で必要になるという声が最も多く、「リモート営業が増え、動画でわかりやすく伝える工夫が必要になった」という声や、「人事研修でオンライン動画をつくる必要がある」「社内外の説得力のある企画提案やプレゼンに必要」という声などが見られた。
「新卒採用で企業が重視するスキルに関する調査結果」 概要
- 調査方法:インターネット調査
- 実施対象:500人(過去1 年以内に新卒採用業務に従事しており、2020年4月入社の新卒採用で2名以上を採用した企業の20~65歳の人事部所属社員)
- 2018年6月実施の結果(n=536)と、2020年6月実施の結果(n=500)の比較を実施
- 調査期間:2020年6月19日~22日