過渡期のAIプロダクトにある“曖昧さ”を克服し価値にする
(2) 曖昧さを前提とした体験設計を行う
従来のソフトウエアが人間による指示・命令を前提とし、人間に解釈できる解像度でロジックを定義して活用するものであるのに対し、AIは人間に解釈できない解像度で物事を理解し、把握し、解釈してサービスに活かしていける力を持っている。だが、AIが十分にその力を発揮するためには、人間側がロジックで定義しきれない曖昧さを受け入れ、AIに委ねる姿勢を持つ必要があると西藤氏は言う。
「口座見守りサービス」は、ソフトウエアとAIの力により、連携した口座の異常なお金の動きを検知することで、その人が詐欺被害にあっていないか、認知症の疑いがないかに気づくことができるというプロダクト。将来データが十分に集まれば、AIが詐欺や認知症を特定することも可能かもしれないが、デザイナーとしては「100%の精度を前提としない曖昧な状態で何を価値とするか」を考える必要がある。