データ分析の民主化は「頂を高める」から「裾野を広げる」へ
「データ分析の民主化を進め、みんなが当たり前にデータを活用できる会社にする」
2019年末、私たちデータ分析グループはこのミッションを明確に打ち出しました。では、どう具現化していくか。2020年初頭の時点で考えていたのは、「ブートキャンプだけでデータ分析人材を育てていくのは無理がある。それは薄々感じている。でも立ち止まることなく、今年もブートキャンプをやろう」といったことでした。状況が大きく変わるまでは……。
その状況変化とは、新型コロナウイルスの世界的流行です。感染拡大防止のため、集合研修が社内ルールで禁止となりました。当然、ブートキャンプもできません。ゼロベースから「どうやってデータ分析の民主化を進めるか」を練り直すことになりました。
まず「集合研修ができないなら、オンライン研修を内製でつくろう」という方針が決まりました。そして、オンライン研修なら受講人数をもっと増やせるよね、と議論が進みます。前年のブートキャンプ受講者は29名。オンラインなら桁を1つ上げられるよね、と。
では「桁を1つ上げた人数」を対象としたとき、誰に向けてどのような内容の研修にするか。オンライン版のブートキャンプ、つまり元々データを扱える人のスキルをさらに伸ばす、という方向性は違う。それでは結局「受講したい」と手を挙げる人は限られてしまう。「データ分析の民主化」というミッションを明文化したことも忘れてはならない。ならばオンライン研修は、これまでの「山の頂を高める」という方向性から「裾野を広げる」方向性へ振り切ろう。そんな考え方で、研修のコンセプトを固めていきました。
研修コンセプト:データ分析官と一緒に仕事ができる人を育てる
独自に企画したオンライン研修は、1日30分の動画を25日間にわたって見る、というもの。オンデマンドでの視聴も可能としました。名前は「セルフペースラボ」。そのコンセプトを一言でいうと「データ分析官と一緒に仕事ができる人を育てる研修」です。
自分でコーディングできなくていい。自分で分析できなくていい。でも、データ分析官に的確に仕事を依頼できる。分析結果を使って改善し、インパクトを出せる。そういう人を増やすことで、データの利活用が全社で進むようになることを目指しました。