「外資系コンサルに学ぶ資料作成術」などの本が流行ってからしばらく経つ。多くの事業会社に所属するビジネスパーソンにとって、外資系コンサル“風”な資料作成術は本当に必要なのだろうか。筆者は外資系コンサルに5年ほど所属し、直近では日本のネット系企業に所属し、戦略やマーケティング、オペレーションなどを担当。その傍ら社内向けに資料作成、ロジカルシンキングなどビジネススキル向上のための研修を作成し、講師として指導も行った。 このような経験からの結論は、多くの事業会社のビジネスパーソンには、外資系コンサル風な資料作術は不要だ。事業会社での経験を基に、本連載では基本的な資料作成術に特化して解説していきたい。決して外資系コンサルの資料作成術を否定しているわけではない。使う場面や目的を履き違えては何の意味も無いのだということを伝え、多くの方に必要な基礎的な資料作成術をつたえていきたい。
外資系コンサル風の資料を目指すな!
「プレゼン資料の作り方がわからない」、「今まで深く考えず自己流でプレゼン資料を作っている」という声を非常に多く聞きます。資料の出来が十分でないために、プレゼンや報告の場で、言いたいことが伝わらない、狙ったような意思決定が下されない、など困っている方は大勢います。
私は外資系経営コンサルティングファームに5年半務めた後、楽天などネット系ベンチャー2社でマネージャーをしていました。ネット系ベンチャーでは体系立った資料作成のトレーニングを受けることは稀ですので、メンバーによって資料作成スキルの差が非常に大きく、会議などでは時に資料の質の問題で行うべき意思決定が出来ないということも多々ありました。
そこで、私はコンサルの時に学んだ資料作成ノウハウを活かしながらも、経験値の浅いメンバーが無理なく作れるよう、基礎部分に特化した資料作成研修を社内で実施しました。コンサル流のテクニックを学ぶのではなく、普段自分自身で作っている資料をどのように改善すれば、誰にでもわかりやすく伝わるようになるかという点に重点を置きました。
100人近い研修受講者の作成した資料に目を通すと、資料を作る上で困っている点、陥りがちなミスなどが明確に浮かび上がってきました。
この連載では、その時の経験を基に、高いスキルを必要とせず、それでいて必要な意思決定ができる資料を作るための考え方、ステップ、見せ方を解説します。
もし外資系コンサル的な資料作成テクニックを参考にしようとしている方は、一旦忘れて下さい。今の段階ではそれを目指す必要はありません。その理由は以下のとおりです。
- コンサル的な質・量の作り込みは、社内向け資料には求められていない
- コンサル流のテクニックを使いこなすには経験と労力が必要
- コンサル流の資料が伝わりにくい人が多い
次のページ以降で、外資系コンサルテクニックを目指してはいけない3つの理由を説明します。
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