アルフレッサとヤマト運輸は物流業界の課題の解決に向けて、2020年7月に「ヘルスケア商品」の共同配送スキームの構築に向けた業務提携を発表している。今回、その第一弾として、ビッグデータとAIを活用して、顧客毎に日々の配送業務量を予測する配送業務量予測システムと適正な配車を行う配車計画システムを開発し、導入を開始したという。
配送業務量予測システム
アルフレッサがこれまでに蓄積した「販売」「物流」「商品」「需要トレンド」などのビッグデータをAIで分析し、顧客毎の配送業務量を予測する。AIが学習することで各種予測の精度が向上し、より効率的な配車計画の作成が可能となる。
配車計画システム
配送業務量予測システムで得られた情報を基に配車計画を自動的に作成する。これまでにヤマト運輸が蓄積した物流や配車に関するノウハウに加え、渋滞などの道路情報を活用することで、効率的かつ安定的な配車計画を作成することが可能となる。また、配送の業務量が多い時には、ヤマトグループの保有する配送リソースも機動的に活用することが可能であり、これまで以上に安定した配送を行うことができるという。
パッケージ納品
アルフレッサはこれまで納品時に検品作業が不要な「パッケージ納品」を展開してきたが、今回導入するシステムに加えて、デジタル機能の活用による事前検品を増やすことで、医療機関における対面作業の時間を大幅に短縮することが可能となる。
両社はこれらのシステムを、2021年8月からアルフレッサの首都圏の支店を対象に導入を開始する。その後、アルフレッサの全国の支店へ順次、拡大していく予定だという。また、並行してこのスキームのブラッシュアップを行い、業務提携の第二弾、第三弾を両社で推進していくという。
両社は、持続可能な医薬品流通ネットワークを構築するため、ヘルスケア商品の共同配送スキーム構築に向けた検討を進めていくとしている。