グローバルで普及するシェアリングエコノミー
シェアリングエコノミーとは、企業や個人が所有するモノ、スペース、スキルといった有形資産、無形資産を、インターネット等を介して、必要とする人に提供、共有する新しいサービス形態です。2008年に米国で誕生したAirbnbが先駆者的な存在で、同社は2020年12月に新規上場し、その時価総額は10兆円を超えています。
PitchBookが公開している米国ユニコーン企業の時価総額ランキングによると、フードデリバリー向けのシェアキッチンサービスを提供するCloudKitchensや、住宅業界の専門家マッチングサービスを展開するHouzzがトップ100にランクインするなど、シェアリングエコノミーは市場全体で主流になりつつあります。
一般社団法人シェアリングエコノミー協会の調査によると、日本の2020年度のシェアリングエコノミー市場規模は2兆円を超えており、2030年度14兆円に上ると推定されています。なお、この市場規模は資産・サービス提供者と利用者の間の取引金額と定義しており、プラットフォーマーの売上ではありません。
シェアリングエコノミーのうち、「移動」のシェアではUberが有名です。日本では法規制等があるため、現時点でのUberの普及は限定的ですが、GOやDiDiなどのタクシー配車サービスは広まりつつあります。これらのタクシー配車サービスは、シェアリングエコノミーというよりは、タクシー会社の配車業務の効率化や、簡易的な決済手段などユーザーの負担を減少させるDXサービスという見方もできます。Uberのように全横断的なアセットシェアをしているわけではないため、厳密な意味ではシェアリングエコノミーサービスといえないかもしれません。
「モノ」のシェアリングで有名なのは、メルカリでしょう。バッグのレンタルサービスであるラクサスや、洋服のサブスクリプションサービスであるairClosetなど、ファッション関連のサブスクリプションサービスも拡大しています。
「スペース」のサブスクリプションサービスは、CtoC、BtoCだけでなく、BtoBまで広がっているのが特徴的です。日本では、レンタルスペースの予約サービスであるスペースマーケットや、駐車場予約ができるakippaが普及してきています。
シェアリングサービスはまずCtoC、BtoCを中心に普及していますが、この流れがBtoB にも広がることは確実で、物流業界でもトラックや倉庫のシェアリングサービスが台頭してきています。