旭化成は、スマートフードチェーン構築を目指して2019年1月から農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)と取り組んできた共同研究成果の社会実装として、4月より大手物流業者と連携し、青果輸送に取り組む。青果物の輸送・保管条件を可視化し、データに基づき流通を最適化することで青果物の鮮度保持による「フードロスの削減」と輸送・保管の最適化による物流チェーンの構築による「環境負荷の軽減」を目指す。
この取り組みでは、旭化成の「Fresh Logi密閉ボックス」を活用することで、輸送・保管環境(温度・湿度・ガス組成など)を適切に管理し、冷蔵システムが無い輸送手段を青果物の輸送に活用できるようにする。密閉ボックス内の輸送・保管環境をセンシングし、農研機構のデータ解析技術と旭化成のインフォマティクス技術を用いることで青果物の鮮度を推定・予測する「Fresh Logiシステム」を構築。このシステムはクラウドにも対応しており、インターネットを介して輸送時の青果物の状況を「いつでもどこでも」把握することができるという。
旭化成はこの取り組みを通じて、フードサプライチェーンにおける輸送・保管環境の向上、見える化、およびトレーサビリティの向上による食の「安心・安全」や「鮮度保持」を追求するとともに、スマート化によるフードロスの削減、環境負荷低減に貢献していくという。また、今後も外部との連携を通じ、持続可能な社会の実現に向けた新たな価値の創造・提供に努めていくとしている。