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帝国データバンク、日本企業の「ロシア進出」状況調査(4月)の要旨を発表

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 帝国データバンク(以下、TDB)は、日本企業の「ロシア進出」状況調査を発表した。TDB でが、以下のように調査の要旨をまとめている。

日本企業の「ロシア進出」状況調査(4月)の要旨

 2022年2月時点でロシアへの進出が判明した国内上場企業168社のうち、4月11日までにロシア事業の停止や制限・撤退を発表・公開した企業は、約4割にあたる60社で判明。3月15日時点では22%にとどまっていたなか、1カ月間で約2倍に拡大した。また、3月時点では完全撤退を表明した企業はゼロだったが、4月時点では新たに3社がロシア現地事業からの完全撤退を発表。ロシアのウクライナ侵攻が長期化するなか、日本企業ではロシアビジネスの先行きについて警戒感が増していることも、停止や凍結に踏み切る企業が急増している要因になっている。一方で、受注残といった理由から現地での事業を当面継続する企業も複数判明。

 事業の停止や中断となった内訳では、製品の出荷・受注などを含む「取引停止」が31社で最も多く、3月(22社)から9社増加。次いで現地工場の稼働停止など「生産停止」(11社)が続き、同4社増加。店舗や、現地の販売活動などを含めた「営業停止」は9社となり、同5社増加した。ロシアによる軍事侵攻に深い憂慮や懸念を表明する企業もあったものの、ロシア事業の停止理由として物流停滞や部品調達難による、現地生産や商品の配送などサプライチェーン面の混乱を挙げる企業が多い。また、ロシアからの撤退を表明したのは1カ月間で3社発生。

 業種別にロシア事業を停止・撤退した割合をみると、最も高いのは製造業で、業種全体の42%を占める。また、全体平均を上回る唯一の業種となった。現地工場の操業停止のほか、部品や完成品の輸出・取引を一時的に停止するといった措置をとる企業が多い。次いで金融機関や事業持ち株会社など金融・保険業、商社などを含む卸売業が続いた。最も割合が低いのは卸売業と運輸・通信業の20%だった。

 ロシアがウクライナ侵攻を開始して以降、ロシア現地工場の操業停止や同国への製品輸出を見合わせるなどの動きが日本企業でも急激に進んでいる。背景には、米欧各国をはじめとした対ロシア制裁の影響が大きく、物流の混乱などから正常な事業活動が今後も難しいことが各社で認知されたことがあげられる。ただ、ロシア事業継続の判断が消費者や投資家からノーを突き付けられ、一転して事業停止や撤退を表明した企業も少なくない。特にグローバルな展開を行う日本の製造業などでは、海外シェアで多くを占める米欧各国での対ロ事業継続への批判の高まりを受け、レピュテーションリスク(社会的評判・ブランドイメージ棄損)や信用低下を招きかねない見地から、早期の判断を迫られたケースも少なくないとみられる。

 ロシアが撤退する外国企業の資産国有化を打ち出すなどビジネスリスクの高まりも浸透したことで、対ロビジネスの停止や撤退の判断は「侵攻当初よりも容易にはなっている」といった見方もある。国際的な対ロ非難は長期化する可能性が高く、ビジネス環境が正常化する道筋も現時点では立っておらず、そのためロシアビジネスを見直す動きはこれまで以上に進む可能性が高い。

ロシアビジネス停止・撤退状況 内訳/業種別の停止・撤退企業割合
左:ロシアビジネス停止・撤退状況 内訳/右:業種別の停止・撤退企業割合(クリックすると拡大します)

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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