第3回:創造力養成ドリル(問題と思考のヒント編)

最後に、“意識的に抽象度を考える”トレーニングとして、簡単なケース問題を出題したい。ここまでの議論を踏まえて、ぜひチャレンジしてほしい。
問題:以下の事例を読み、あなたであれば今回の事例は、どの程度の抽象度の「課題」(Why)でアナロジー思考を駆使するか考えよ。
事例:ジレット社のオーラルB 電動歯ブラシ
ジレット社に、オーラルB 電動歯ブラシという商品がある。世界で最も売れた歯ブラシの1つだ。この商品はどのように生まれたのか。 実は、ジレット社の研究者は、新しい歯ブラシを生み出すために、歯ブラシそれ自体ではなく、「きれいにしたい」という課題に焦点を当てて研究したと言われている。その上で彼らは、世の中のきれいにするために作られている商品やサービスを研究した。たとえば、髪や服の洗い方や血管のクリーニング方法、水路の掃除の仕方などだ。
その中で彼らが着目したのは、自動車の洗車の仕方だった。洗車機は、様々な角度から洗剤を吹きつけたりブラシをかけたりする複数の動きがある。研究員は、自動車と歯にある関係性を見出し、様々な角度から複数のブラシをかける原理を歯ブラシに転用したのだ。
その結果、様々な角度から様々な動きによって自動で歯垢を擦り落とすオーラルB 電動歯ブラシが生まれた。
※本事例は、マイケル・マハルコ『クリエイティブ・シンキング入門』(ディスカバー・トゥエンティワン、2013年)を参考に作成している。
思考のヒント
- 今回は電動歯ブラシが解決している「課題」(Why)を「きれいにしたい」というところまで抽象度を上げて研究者たちは検討している。
- この「課題」(Why)は、Who×Where×Whenで導かれる。したがって、まずは歯ブラシを使う具体的な場面をWho×Where×Whenで設定し、そこから、Who/Where/Whenを抽象化して「課題」(Why)の抽象度を調整してみよう。
次のページでは解説を行うので、まずは自身で何度か考えてみてほしい。