アドビは米国時間5月24日、Microsoft Buildにおいて、より優れた働き方の実現に向けたマイクロソフトとの提携による、最新の成果を発表した。
両社共通のビジョンを実現するという、エンドユーザー、開発者、管理者、IT意思決定者向けの新機能は以下のとおり。
TeamsでAcrobatの新機能とAcrobat Signの利用が可能に
Acrobat for Teamsでは、シングルサインオン(SSO)を可能にしたほか、最近使用した文書やツール、コラボレーションを1箇所で確認できるパーソナルタブを導入。これらの新機能は、Acrobat Sign for Teamsでも使用でき、Teams通知からの署名も可能だという。これにより、作業途中でわざわざブラウザやアプリケーションを開かなくても、文書に署名できるようになった。
AcrobatとMicrosoft Purview Information Protection
今後、Acrobatのデスクトップバージョンで、Purview Information Protectionのラベルやポリシーを重要文書に追加できるようになる予定だという。具体的には、発注書、パートナー契約書、サービス契約書などの文書を重要な関係者のみが表示、管理、承認できるよう、従来はPDFとして共有されてきた標準的なビジネス契約書に、Purview Information Protectionを追加できる。
Acrobat SignとPower Automateの組み込み
Power AutomateをAcrobat Signで直接使用できるようにすることで、反復タスクの合理化、データやアプリケーションの接続が容易になる。これにより、フィールドサービスリクエスト、販売契約、新規採用フォーム、ITリクエストなどのビジネスプロセスにおいて、電子署名のワークフローや監査を迅速に自動化できるようになるとしている。
Power Automate向けAdobe Experience Manager Formsコネクター
Adobe Experience Manager Formsは、Acrobat Signでそのまま使用できるモバイル対応のレスポンシブフォームや文書を作成、管理、配信するための、エンドツーエンドのソリューション。ユーザーは同ツールをPower Automateに接続し、Adobe Experience Manager Formsを通じて、フォームを送信した後にビジネスワークフローを開始できるようになった。また、Power Automate内でレビュー、承認、通知の送信などといったアクション項目がシームレスに統合されているため、効率的にコラボレーションを強化することができるという。
Acrobat Sign Graph Connector
締結済みの契約における新しいタスクに対し、Microsoft 365を始めとするMicrosoftエコシステムからのデータに従って、インデックスを作成。Acrobat Signのユーザーは、Microsoftでの検索結果内で、契約タスクを検索して見つけられるという。また、署名ステータスの確認に要する時間が減り、新しく作成された契約が優先表示されるため、販売契約の締結から従業員のオンボーディングまでの、作業サイクルの時間を短縮できるとしている。
Microsoft 365へのAcrobatとAcrobat Signの一括インストール
AcrobatおよびAcrobat Signのアドインを、Teams、Word、Outlook、PowerPointで導入・管理でき、IT管理者がエンドユーザーに導入する際の時間を短縮できるという。
Adobe Acrobat Sign for Governmentで、FedRAMP Moderateの認証に対応予定
Microsoft Azure Government Cloudに組み込まれたAcrobat Signで、FedRAMP Moderateという新しい政府認証レベルを達成。これにより、個人情報の収集など機密性の高いプロセスにも、電子署名を使用できるという。なおFedRAMPとは、クラウド製品およびサービスのセキュリティ評価、認証、継続的モニタリングのための標準アプローチを提供する、米国連邦政府プログラムのこと。