野村総合研究所(以下、NRI)は、企業のCXを顧客の視点で計測・評価する「CX診断メニュー」を、7月13日から提供する。「CX診断メニュー」は、B2C企業を対象に、各社のCX向上における課題を抽出し、改善に向けた最適なアプローチを提示する診断サービス。診断対象の商品・サービスを利用する顧客へのアンケートをもとに、NRIオリジナルの指標でCXをスコアリングし、競合の商品・サービス等と比較することで、強み・弱みや、マーケットにおけるポジションを可視化し、次に取り組むべきアプローチを導出する。
「CX診断メニュー」サービス内容
1.対象商品・サービスや競合企業の設定
CX診断の対象とする消費者向けの商品・サービス、およびその競合企業を設定する。
2.顧客アンケートの実施
一般消費者であるアンケートパネルから自社および競合企業の実際の顧客を各社2~300人ずつ抽出し、アンケートを実施。下記で示す5つのカスタマージャーニーステップごとに、8つの観点(NRI独自の評価観点)に沿って、各回答者の体験を振り返りながら定量的な評価と具体的なエピソードを収集する(図1)。
3.アンケートの集計・分析
アンケート終了後は、総合CXスコア、NPS、競合企業との比較などの観点で集計・分析。自社の強み・弱みやCX向上の課題を、定量的なデータから発見したのち、アンケートで得られた自由回答をもとに深掘りする(図2)。
4.CX向上に向けた最適なアプローチの提示
アンケート結果やそれを踏まえた議論をもとに、CX向上に向けて注力すべきポイントを定め、最適なアプローチを提案する(図3)。
「CX診断メニュー」サービスの3つのポイント
顧客からのリアルな評価・意見
実際の顧客を対象としたアンケートの結果をもとに、商品・サービスに対するCXをスコアリングするため、顧客の声に基づいた現状分析ができる。また、検討はしたものの、契約や購買に至らなかった人にもアンケートを行うため、他社の選択理由などの示唆を得ることも可能となる。自由回答を活用すれば、顧客が商品・サービスに興味を持ち、購入、使用、アフターケアに至るまでのカスタマージャーニーステップごとの評価を確認した後、気になった工程の自由回答を掘り下げ、象徴的なエピソードを探すこともできるという。
競合と比較した自社の強み・弱みの把握
競合企業の顧客へも同様のアンケートを行い、自社の商品・サービスの分析結果と比較することで、現状の立ち位置や強み・弱みを客観的に把握できる。定期的に診断を受けることにより、他社の状況も常に意識しながら自社の改善活動を行うことが可能となる。
CX全体を踏まえた最適なアプローチの提示
CXの現状と自社の強み・弱みを把握した上で、さらなる顧客体験価値の向上につながるアプローチを提示する。たとえば、顧客とスマホ画面を通じてやり取りする際の課題の深堀や、他社と差をつけるためのアイデア創造を目的とした社内ワークショップの開催、店舗内の業務改善に向けた実態調査と分析など、NRIのエキスパートの知見や経験を踏まえ、企業が今後取り組むべき最適なアプローチを提示する。