固定観念を壊し「課題の本質」と「事業化の種」を得る
――これまでのプロジェクトでは、どういうアイデアや考え方が出てきたのでしょうか。
田村:
超・高齢化社会、人口減少は人々のライフコース(生きかた、暮らしかた)を変化させると言われていますが、変化は同時にイノベーションのチャンスです。それで、プロジェクト2のテーマを「ライフコースのイノベーション」としたのです。
その時、あるチームが「これからリタイアしていく50代後半から60代前半くらいまでの人たちというのは、地域活動に対して非常に嫌悪感を持っている。リタイアしても地域活動なんて絶対やらないという人がマジョリティだ」ということに気付いたのです。
元気なうちはいいけれど、地域と全然つながらないまま後期高齢者になって身体が動かなくなったら、孤独死の比率が上がるかもしれない。お祭りや子供会など地域活動の担い手もいなくなる。「これからリタイヤしていく世代は、地域活動をやらない人が多数派」いう気づきから、いろいろな未来が見えてくるわけです。