島津製作所と京都大学は、「社会課題の解決に資する革新的な技術の獲得及び新事業の創出」「新事業を社会実装する人材の育成」を目的とした3ヵ年の包括連携契約を締結した。
両者はこれまで、多くの共同研究を実施しており、社会課題の解決のため、包括連携について検討してきた。今後は、同連携に基づき、グリーンイノベーションやヘルスケア分野における事業テーマ探索、共同研究の促進、人材育成を進めるという。京都大学では、大型共同研究を集中的にマネジメントする目的で設置された「京都大学オープンイノベーション機構」が同連携を推進する。
両者は、まずグリーンイノベーション分野で技術の獲得と新事業創出を目指す。島津製作所が提示した事業テーマに対して、京都大学が当該テーマに関わる研究者を参画させ、両者共同で事業プランを策定して新技術を研究する。具体的な事業テーマは、カーボンニュートラルの実現に欠かせない水素燃料・バイオ燃料・風力発電などの再生可能エネルギーや、自動車・蓄電池などの開発支援、保守支援、現場計測などが見込まれるという。
蓄電池の開発支援では、ガスクロマトグラフや液体クロマトグラフ、液体クロマトグラフ質量分析計、X線CTシステムなどの島津製作所の分析計測装置が使用される見込みだとしている。
また、京都大学の研究者の主宰する研究室に島津製作所の技術者を派遣し、その博士号取得を支援。派遣する技術者と博士課程に在学する学生との交流を通じて、京都大学の人材育成にも貢献するという。