デジタルネイティブ企業群の戦略から考える、既存企業のハイブリッド戦略
デジタルネイティブ企業群とは、創業時から積極的にデジタルテクノロジーを活用したビジネスモデルを運営している企業群を指します。Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoftの頭文字をとったGAFAM(ガーファム)は、誰もが知っている代表的なるデジタルネイティブ企業群でしょう。
昨今の景気減速の波を受けているとはいえ、GAFAMの直近における時価総額は約7.2兆ドル(約950兆円)にも上り、これは、米国のニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダック(NASDAQ)に上場している企業の時価総額合計の約17.5%を占めており、日本の東証一部に上場している企業(約2,200社)の時価総額の合計に匹敵します。
GAFAMの共通点として、21世紀最強のビジネスモデルとも呼ばれるプラットフォームを持っていることです。この記事でのプラットフォームとは、特定のプロダクトやサービス、コンテンツや情報の生産者と消費者を(オンライン上で)結び付ける場を意味します。
プラットフォームの対義語として、パイプラインという言葉が使われることがあります。パイプラインとは、バリューチェーン(例.購買物流、製造、出荷物流、販売/マーケティング、アフターサービス)に代表されるように、川上から川下に至るまでの直線的な活動によって構成される20世紀を代表するビジネスモデルです。
プラットフォームビジネスモデルは、ほぼプラットフォームビジネスモデルに特化したピュア型、プラットフォームビジネスモデルとパイプラインビジネスモデルを兼営するハイブリッド型に分類することができます。GoogleとFacebookがピュア型であるのに対して、Apple(ハードウェア)、Amazon(小売り)、Microsoft(ソフトウェア)は、ハイブリッド型です(検索エンジン、OS、SNSなどはプラットフォームです)。
従来企業の多くはパイプラインによるビジネスモデルを運営していますので、DX戦略の1つのオプションとしてプラットフォームの構築の検討する場合は、必然的に既存のパイプラインと新規のプラットフォームを組み合わせたハイブリッド型を目指すことになるでしょう。