日産自動車(以下、日産)と日立ビルシステムは、電気自動車からの給電で停電時のエレベーター利用を可能にするV2Xシステムの普及に向けて協創を開始する。
日立ビルシステムでは、停電時に、電気自動車と建物をつなぐV2X技術により、電気自動車からエレベーターなどのビル設備に給電を行い、継続利用を可能とするシステムを開発し、2023年中の実用化に向けて準備を進めている。
また、日産では、電気自動車活用による社会変革や地域課題の解決を図るべく、2018年から「ブルー・スイッチ」活動を推進。全国の自治体や企業・団体など、様々なパートナーとともに取り組みを行っているという。
協創により、それぞれの持つ技術やノウハウを共有しながら、V2Xシステムの普及などに向けた下記取り組みを行うとしている。
- 企業や自治体などへのV2Xシステム導入に向けた普及活動の推進
- 日立ビルシステムが進めるV2Xシステムの実証実験への日産の電気自動車を活用した実用化の加速
- 子供たちへの環境教育での協力など、脱炭素社会に向けた活動連携
協創における第1弾の取り組みとして、軽の電気自動車「日産サクラ」と日立標準型エレベーター「アーバンエース HF」をV2Xシステムでつなぎ、電気自動車からの給電でエレベーターを継続運転させる実証実験を共同で実施した。
同実証実験において、エレベーターの連続昇降回数は263回(往復)、日産サクラのバッテリー残量(100%→46%)となり、10時間連続にてエレベーターを稼働できることを実証した。また、同条件で「日産リーフe+」を用いてエレベーターの10時間連続稼働を行った場合の理論値は、連続昇降回数263回(往復)、バッテリー残量(100%→72%)になるという。
今後、電気自動車のバッテリー残量リミットまでの長時間連続稼働の実証実験を行っていくとしている。