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MTDO田子學氏が語る、“ゼロから1”をうみだすための創造的計画とは?

デザインと経営の未来:経営学者とデザイナーが語るイノベーションの理論と実践:前編

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 8月8日、慶應義塾大学大学院SDM研究科KEIO EDGE Program主宰による公開講座「デザインと経営の未来:イノベーションの理論と実践」が開催された。本レポートでは、「カフェオレからはじまるイノベーション」と題して講演された、同大学の特任教授を勤める田子學氏の講演について概要をまとめる。田子氏が社会を揺るがす実績を産み出した背景には、どのようなアプローチや思考回路があったのか。

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経営者にこそ必要な「デザイン」と「創造的計画」

 田子氏は世界3大デザイン賞をはじめ10を超える受賞を達成した鳴海製陶の食器「OSORO」や、東芝時代に手掛けた世界初のスリットレスエアコン「大清快」など、数々のイノベーティブ(革新的)な製品を世に送り出してきた。冒頭で田子氏は、「デザインはゼロから1をうみだすことであり、その意味でイノベーションを起こすことに近い」と説明し、経営者こそデザイナーになって欲しいと訴えた。

デザインというのは色や形を指すのではなく、
日本語で「設計」のことであり、その奥にある意味は、
人間の行為をより良いかたちでかなえるための「計画」です。
僕は経営者こそデザイナーになってください、という話をよくしています。

 ただし、ここで重要なのは、その計画が「創造的計画」であること。通常我々が使っている「計画」は目に見えるものであるのに対して、経営者に求められているのは、目に見えないクリエイティブな計画だという。その例として、田子氏がクリエイティブディレクターとして関わっている京都府与謝郡与謝野町の取り組みについて、事前の紹介があった。

田子學 Manabu Tago田子學 Manabu Tago
MTDO 代表取締役 アートディレクター/デザイナー
株式会社東芝デザインセンターにて多くの家電、情報機器デザイン開発にたずさわる。同社退社後、株式会社リアル・フリートのデザインマネジメント責任者として従事。その後新たな領域の開拓を試みるべく、2008年株式会社エムテドを立ち上げ、現在にいたる。現在は幅広い産業分野において、コンセプトメイキングからプロダクトアウトまでをトータルでデザイン、ディレクション、マネジメントしている。 2015年より京都府与謝野町クリエイティブディレクターに就任。

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