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博多のコミュニティの力を束ねる、ムラジュンことAIP村上さん

AIP 村上 純志 氏インタビュー

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PCの電源の入れ方もわからなかった僕がシステム管理者に

村上純志特定非営利活動法人 AIP 事務局長 村上純志

 はじめはパソコンの電源の入れ方もわからなかったんです。福岡でデジタル・ハリウッドに入ったのですが、卒業後もアシスタントとして働かせていただいたことで多くのことを学ばせてもらいました。ある日、デジハリ福岡のプロデューサーから、「ムラジュン、ちょっと来て!」って部屋に呼ばれ、説得というよりマインドコントロールに近いかたちで、システム管理の仕事をやるはめになりました(笑)。デジタルハリウッドの授業に使う大量のマシンやソフト、サーバーの管理。授業に支障のないように管理する仕事なんですが、拠点の移動時にはあまりのストレスに10円ハゲが出来ました。

 システム管理者をしながらデジハリのプログラミングのコースにも通いました。プログラミングを覚えていくうちに、本格的にシステム開発をやってみたいと思ったので、28歳でデジハリを辞めさせてもらって、地元・福岡のシステム開発会社に入ったんです。

 福岡のシステム開発会社に入社したのですが、勤めている期間はほとんどが東京で、クライアントと直にやり取りさせていただく貴重な経験をさせてもらいました。この時の東京での肌感は今ではとても大事なものになっていますので、デジハリの学生さんから東京へ行きたいと言われた時には止めたりしないようにしてます。その後、東京の仕事がひと段落して福岡に戻ってきて、AIPの案件を受託したのが、今所属しているAIPとの関わりのきっかけです。Rubyの開発者を育てる研修講座の案件でした。

 AIPは、IT人材を創出するために、福岡県と大手ITベンダーが創設したNPOです。最初の頃は、知識だけを教える組織だったのですが、知識だけではなく「知識(教育)×経験(ビジネス)×人間性(コミュニティ支援)」の3つを事業の核とした活動に変わることで、今のAIPの特色がうまれました。

 AIPの案件を行う中で、AIPが2008年から運営を行っているフリースペース「AIPCafe」に通ったことで、いくつかのIT系コミュニティに出会いました。みんな徹夜で調べてきた技術とかを包み隠さず楽しそうに教え合ってたんです!酒とかつまみを持ち込んで、深夜まで話してました。普段の仕事も夜遅くまでこなしているのに、なんでこんなことが出来るんだろうっていうのがあって、このパワーはなんだろう?と、圧倒されたんです。 このコミュニティの力が何なのかを知りたくて、AIPへ転職を決めました。当時はSNSもTwitterを使い始めたアーリーアダプター層がいるくらいで、まだコミュニティに注目が集まって無かった時だと記憶しています。そんな時の転職で、しかもNPOだったのもあって、周囲は親族含め心配してました(笑)。
 数年後、TwitterやFacebookなどが一般的に使われるようになり、コミュニティが注目されたこともあり、早くからコミュニティ支援に取り組んでいたAIPへ 行政や企業などから問合せや相談などがくるようになった経験はとても大きかったです。
 たとえ、始めた頃は周りから理解を得ていないようなことでも、自分で考え、感じたことを信じて続けてさえいれば実る。という継続の大事さを知ったことが、今も新しいことへの取り組みの支えとなっているからです。

 AIPってNPOですが、実際に中でやっていることは、ほぼ企業と変わらないんです。収入源は、まず大きいのが、有料の研修講座で、企業向けの合同新人研修講座は10年前から毎年やっていて、多くの地元企業に参加いただいております。それともうひとつ大きいのが、福岡県、福岡市などの行政からの委託事業です。現在福岡市は、市長の熱意もあってスタートアップやIT関連のプロジェクトに積極的です。今だと「IoT」をテーマにしたプロジェクトの委託事業があります。  そうした委託案件に応募し、コンペの後に受託しています。もちろん、コンペですので他の企業さんも公募に参加されていて、審査がおこなわれます。この時に強みであるコミュニティやキーマンの方々とのつながりを活かして提案し、採択いただけたりするのが有料の研修講座とは別の大きな収入源です。
 このようにIT関連の有料研修講座と行政などからの委託事業、この二つが、今、AIP の大きい収益で、そこから僕の給料とかが出ている感じですね。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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