インフラ企業から地域価値創造型企業へ
そのような議論を経て小田急電鉄は、2021年に経営ビジョンを公表。「UPDATE 小田急 ~地域価値創造型企業にむけて~」と銘打っている。そのビジョンでは、「私たちは、小田急沿線や事業を展開する地域とともに成長するために、既成概念に捉われず常に挑戦を続けることで、お客さまの体験や環境負荷の低減など地域に新しい価値を創造していく企業に進化します。」と方針を定めている。
政光氏はビジョンに対して「この背景に多くの議論や対話をした“爪痕”が透けて見える」としながら、「従来の沿線を中心とした発想から、地域経済圏に広がるよう考え方をシフトしている。また、事業ポートフォリオも鉄道ビジネスモデルから、不動産を中心にデジタルにも挑戦すると方針を打ち出している」と解説を加えた。