資生堂は、理化学研究所(理研)との共同研究で、肌の状態に関係する身体や心の状態を明らかにし、肌予測モデルを開発することに成功した。
同共同研究では、20~40代の日本人女性を対象に、シミ・くすみ、しわ、うるおいなどの肌の状態を計測したほか、体格・体組成、血中成分、生活習慣および心理指標に関する計測を実施。肌の状態に、身体や心のどのような要素が関連しているのかを明らかにするために、計測した肌指標を身体指標や心の指標で説明する数式(新規肌予測モデル)の作成を試みたところ、複数の数式を得ることに成功したという。
たとえば、肌の角層水分量に関しては、下記のような数式が得られ(数式1)、角層水分量の多さ/少なさには、身体の酸化ストレス状態、体格、血中電解質(ミネラル)、握力などとの間に関係がみられることが明らかになったとしている(図2)。
また、同肌予測モデルと資生堂が蓄積してきた研究知見を融合し、美のアルゴリズムを構築。これにより、生活者一人ひとりの「なりたい肌」「ありたい姿」を実現するために、化粧品によるケアに加えて、身体や心の状態に着目した生活習慣の提案など、肌・身体・心が調和した状態へ導く新たなアプローチの開発を加速させることが期待できる。将来的には2000以上の肌・身体・心の関係性を含むアルゴリズムへと進化させていく予定だという。