ドーモは、TOPPANホールディングスが事業ポートフォリオの変革に向け、Domoを活用して全社的なデータ活用と経営DXを推進し、経営管理の質を向上させていることを報告した。
Domo導入背景
TOPPANホールディングスは2023年10月に新たな経営体制に移行し、社会課題を解決するリーディングカンパニーとして、成長事業への投資や事業ポートフォリオの変革に取り組んでいるという。
同社の経営企画本部は、2019年当時より事業別のROIC(Return on Invested Capital:投下資本利益率)管理の実現を含めDX推進を図り、経営管理の新たなルール策定と運用を目指している。一方、同社は創業120年以上の歴史の中で「印刷テクノロジー」をベースにそれぞれの事業部が発展、多角化してきたため、組織内の各事業部でデータのサイロ化が進んでいたという。また、既存のデータ分析ツールは使い方が難しいためシステム部門での作り込みが必要で、データ処理速度も遅く、期待するような切り口でのデータ集計や可視化が困難な状況であったとしている。
そこで、経営企画本部はデジタルイノベーション本部と相談の上、データウェアハウス、データ収集、ETL(Extract:抽出/Transform:変換/Load:書き出し)によるデータ加工機能など、データ活用に必要な一連の機能をワンプラットフォームで備え、ユーザビリティや表現力が豊かな点を評価し、2019年7月にDomoを導入したと述べている。
全社的データ活用への道
Domo導入後は、事業ごとのROIC以外にも、各事業部門が必要なデータをDomo上で可視化。今まで見えていなかったデータの推移や傾向値、リアルタイムの在庫状況や着地見込みなどが把握でき、データの活用効果やメリットを実感できるようになったという。加えて、経営企画本部による社員への地道なデータ活用のトレーニングが功を奏し、データ活用が社内に根付いていったという。
2023年4月にSAP(統合基幹業務システム)を導入し、社内標準のBIツールとしてDomoを採用したことで、一気に全社的なデータ活用が浸透。基幹業務システムも含め、社内の多くのデータをDomoに移行し、経営管理に重要なグループ共通の “Single Source of Truth”(信頼できる唯一の情報源)を構築できたとしている。
Domo導入効果
事業別のROIC管理が可能となり、資本の最適配置、成長と収益性のバランス維持に向けた方針の策定へ
Domoのワンプラットフォームにより、各事業部のデータが収集・可視化され、事業別のROIC管理が可能に。投資効果の判断指標ができたことで、資本を最適に配置するための意思決定や成長と収益性のバランスを適切に維持するための方針策定につながっているという。また、社内共通のSingle Source of Truthができたことで、情報の一貫性と信頼性が高まり、全社的な管理水準が向上していると述べている。
予算・実績の管理をDomoで自動化、工数を3割削減
同社は複雑な事業形態をしており、複数のデータを組み合わせないと損益や在庫など事業管理に関する有益な知見が得られなかったという。Domoのデータ加工機能を活用することで、これまでできなかった新たな視点からの分析ができるようになり、データの価値を高めているという。加えて財務部門では、手作業で行っていたスプレッドシートでの予算や実績管理をDomoで自動化し、運用・管理の工数を3割程度削減したとしている。