2026年3月19日、東急および東急電鉄は、賃金の引き上げなどによる処遇改善策の実施を発表した。人的資本経営の推進を通じて企業価値の持続的な向上を図る方針で、2026年4月から全従業員平均で6.0%の賃金引き上げを行う。内訳としては、12,000円のベースアップが含まれている。
初任給も引き上げられ、2026年4月入社の大卒初任給は東急(総合職)で304,500円、東急電鉄(鉄道エキスパート職)で266,700円となる。さらに、2025年度の業績を踏まえて、賞与の増額とともに全従業員に平均20万円の特別賞与が支給される。
現中期3ヵ年経営計画期間(2024~2026年度)における賃金引き上げ率は、東急で平均18.2%(管理職層18.0%、非管理職層24.4%)となる見込みだ。東急電鉄では大手私鉄で高水準の報酬を実現しているという。
福利厚生面でも改善が進められる。東急線沿線の各所に独身寮・社宅を整備し、市況価格より安価に利用できるようにしている。また、首都圏や地方を問わず、すべての出身地から入居できる独身寮制度の見直しや、管理職まで入居対象を拡大した社宅制度の導入、独身寮の賃料無償化(総合職は新卒入社後1年程度、鉄道エキスパート職は3年以下)なども進められている。2025年度には、新たに独身寮5ヵ所、社宅8ヵ所が新設される。
社員の働きがいや健康にも配慮しており、2026年には陸運業で通算8回目となる「健康経営銘柄」に選定された。また、資格取得や自己啓発支援も拡充し、資格合格時の費用補助や、最大50万円の報奨金、年間最大20万円(75%まで補助)の研修費サポートなどを実施している。
さらに、株式インセンティブ制度を導入し、勤続期間に応じて東急株式を退職後に交付・一部現金給付を行う仕組みも設けている。既存の賃金や賞与、退職金制度に追加導入する形で全社員約5,500人が対象となる。
東急と東急電鉄は、今後も人的資本経営の推進とともに、人事・処遇制度の改善や働きやすい環境の整備、従業員の幸福追求に取り組む方針としている。
【関連記事】
・「人的資本調査2025」分析レポート発表、企業の人的資本経営の現状を分析
・Unipos、「人的資本経営フレームワーク(田中弦モデル)」の大幅改訂を発表 財務との連動を強化
・パーソル、人的資本経営を支援する「人事BPO」サービスを開始
