石灰石を主原料とし、原料に水や木材パルプを使用せず紙の代替や石油由来原料の使用量を抑えてプラスチックの代替となる新素材「LIMEX(ライメックス)」を開発・製造・販売する株式会社TBM(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:山﨑敦義、以下TBM)と神奈川県(県知事:黒岩祐治)は、国連で採択された2030 年までに達成すべき持続可能な開発目標(以下 SDGs)への貢献を目指し、LIMEXのアップサイクルを通じた循環型のまちづくりを推進する取り組みを発表致します。
TBMと神奈川県はアップサイクルのモデル実証事業の展開に向けて、神奈川県内の自治体・企業・団体をパートナーとして募集する「かながわアップサイクルコンソーシアム」を設立します。コンソーシアムの設立に向けて事務局を設置し、神奈川県独自の循環型のまちづくりモデルを世界に先駆けて確立して参ります。
<アップサイクルとは>
サステナブル(持続可能)な「モノづくり」の新たな方法論のひとつ。従来から行われてきたリサイクル(再循環)とは異なり、単なる素材の原料化、その再利用ではなく、元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出すことを最終的な目的としています。
■ 背景
現在、SDGsの達成に向けて企業及び自治体の対応が求められています。TBMが開発する石灰石を主原料としたLIMEXは、水や木をほぼ使わずに紙代替製品を、石油の使用量を減らしてプラスチック代替製品をつくることができます。さらに、LIMEXはLIMEXシート(LIMEXをシート状に成膜したもの:紙代替製品)からプラスチック代替製品の原料となるLIMEXペレット(LIMEXをペレット状に製造して加工したもの)を高効率につくることが可能なため、環境に配慮されたアップサイクルが可能です。また、世界的に問題となっている使い捨てプラスチックの代替として、LIMEXの食品容器を製品化し、提供しておりますが、12月にポーランドで開催されたCOP24(第24回国連気候変動枠組条約締約国会議)では、イベント「LIMEX-石灰石で拓く脱炭素循環型社会への道」を主催し、LIMEX及びPlax製のレジ袋、ゴミ袋、ショッパーのコンセプトモデルを発表致しました。
一方、今年に入り神奈川県は、内閣府地方創生推進事務局から「SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」に認定されました。また、鎌倉市由比ガ浜でシロナガスクジラが打ち上げられ、胃の中からプラスチックごみが発見されたことを契機に「かながわプラごみゼロ宣言」を発表し、積極的にプラスチックごみの削減に取り組むなど、環境に配慮した取り組みが進められています。
■ 取り組み内容
前述の神奈川県の取り組みを、環境素材であるLIMEXを活用することでより発展させ、SDGsへの貢献、かながわプラごみゼロ宣言の活動推進を目的に、TBMと神奈川県は、「かながわアップサイクルコンソーシアム」を設立し、LIMEXのアップサイクルを通じた循環型のまちづくりを推進します。コンソーシアムの設立に向けて事務局を設置し、アップサイクルのモデル実証事業の展開に向けて、「つかう」「あつめる」「つくる」といった各プロセスにおけるパートナーを、企業・市区町村・大学などの団体から広く募集し、神奈川県独自の循環型のまちづくりモデルを世界に先駆けて確立して参ります。
<アップサイクルスキーム>
①LIMEX製品をつかう(使用)
名刺、冊子、チラシ、ポスター類、横断膜、文房具(ペン・クリアファイル)、案内マップなどを使用いただく。
②あつめる(回収)
LIMEXロゴの入った製品を、参画団体の既存回収ルートを活用、回収BOXを設置するなどして回収いただく。
・つくる(再製品化)
LIMEXペレットを活用しプラスチック成形品の代替製品を製造いただく。
<12月17日時点 参加団体(順不同)>
・神奈川県
・一般社団法人横浜青年会議所
・公益社団法人日本青年会議所 関東地区神奈川ブロック協議会
・鎌倉市
・大日本印刷株式会社
・凸版印刷株式会社
・株式会社ニフコ
・リコージャパン株式会社
・ロイド レジスター ジャパン株式会社
・株式会社崎陽軒
・日本郵便株式会社
…県内の郵便局でLIMEXの回収BOXを設置
・朝日オフセット印刷株式会社
・株式会社大川印刷
※ 本取り組みの神奈川県での普及啓発活動を、凸版印刷株式会社の社会課題解決型プロジェクトチーム「キャンパスラボ」に協力頂く予定です。
本取り組みを推進するにあたって、「かながわアップサイクルコンソーシアム事務局 特設サイト」を開設、コンソーシアムの活動情報を発信していきます。
パートナーとしての参加希望、お問い合わせは、下記URLよりお願い致します。
URL: https://tb-m.com/kanagawa-upcycle-consortium
■ 新素材LIMEX(ライメックス)とは
[ LIMEXとは ]
・ LIMEXは炭酸カルシウムを50%以上含む、無機フィラー分散系の複合材料であり、日本発の新素材。
・ 2013 年、経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」に採択。
・ 2014 年、国内特許を取得。現在、日中米欧を含む30か国以上で登録済。
・ 2015 年、宮城県白石市に年産 6,000 トンの LIMEX を製造する第一工場を建設。
・ 2016 年、米国シリコンバレーの「Plug and Play」で初の 『世の中に最も社会的影響を与える企業ソーシャル インパクトアワード』を受賞
・ 2017 年、「第7回日米イノベーションアワード」において『イノベーション・ショーケース』を受賞
[ 紙の代替として ]
・ 通常、普通紙1トン生産する場合、樹木を約 20 本、水を約 100 トン使うが、LIMEX は原料に木や水を使用せず、石灰石 0.6~0.8 トンとポリオレフィン約 0.2~0.4 トンから LIMEX の紙代替製品(LIMEXシート)1 トンを生産可能。
※国内の製紙業界においては、単に伐採するだけでなく海外で植林活動を実施。
※使用済みの LIMEX の紙代替製品を廃棄する場合は可燃ごみ扱い。(古紙回収に出さない)
[ プラスチックの代替として ]
・ 従来のプラスチックの原料は石油由来樹脂 100%であるが、LIMEX では主原料が石灰石であり、石油由来樹脂の使用量を大きく削減可能。
・ 単価の安い石灰石を主原料とすることで価格競争力を有する。
・ LIMEX の印刷物等のリサイクル材から、LIMEX 製のプラスチック成型品(LIMEXペレットを加工)を作れ、環境負荷軽減に貢献できる。
[ 資源としての石灰石の埋蔵量 ]
・ 日本でも 100%自給自足できる資源。世界各地の埋蔵量も豊富で、ほぼ無尽蔵。
■ 株式会社TBM
代表取締役CEO :山﨑 敦義
本社 :東京都中央区銀座 2-7-17-6F
設立 :2011 年
資本金 :91 億 9,480 万円(資本準備金含む)/ 2018 年 11 月時点
事業内容 :LIMEX 及び LIMEX 製品の開発・製造・販売
URL :https://tb-m.com/limex/
株式会社TBM