石灰石を主原料とし、水や木材パルプをほぼ使用せず紙の代替や、石油由来原料の使用量を抑えてプラスチックの代替となる新素材「LIMEX(ライメックス)」を開発・製造・販売する株式会社TBM(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:山﨑敦義、以下TBM)、高機能なバイオプラスチックの改質剤を開発するBioworks株式会社(本社:京都府相楽郡、代表取締役CEO:今井行弘、以下バイオワークス)は、新型コロナウイルス感染症拡大による世界規模の衛生マスク不足の問題解決に貢献すべく、洗える抗菌マスク「Bio Face※」を開発したことを発表致します。従来のマスクの多くは、石油由来プラスチックでつくられている、使い捨てのプラスチック製品です。「Bio Face」は、ニット編み機で世界的なトップメーカーである株式会社島精機製作所と連携して、植物由来のポリ乳酸の糸で製造されており、洗って繰り返し使用することも可能です。またポリ乳酸の環境性能、生体適合性に加えて、人の肌と同じ弱酸性で、抗菌性、付け心地の良さなど実用的な機能性も兼ね備えたマスクです。本日より、国内外から「Bio Face」の先行受注を開始致します。
今後、TBMとバイオワークスは、世界中のマスク不足、需要の増加に対して、マスクのリユースを促進し、再生可能資源である植物由来の原料を用いることで環境性能を追求していきながら、海外での生産を拡大して参ります。
※ 「Bio Face」は、Bioworks株式会社が商標登録出願中です。
■ 背景
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で需要が高まっているマスクの多くは、石油由来プラスチック(ポリプロピレンなど)でつくられている、使い捨てのプラスチック製品です。日本国内で家庭用マスクに使用される石油由来プラスチックの量は年間で約1万トンにのぼるとも考えられます(2018年の日本国内家庭用マスク生産量42億8,400万枚、うち9割以上が不織布製※1との統計に基づきTBM推計)。このプラスチック量は、国内のボールペン用や漁網用とほぼ同量の使用量※2、またEUで年間に消費されるストロー用の使用量※3の約半分に相当します。一方、マスクの消費が拡大するにつれて、浜辺に漂着した使用済みのマスクが確認されるなど、適切なマスクの処分が求められています。新型コロナウイルスの感染は今も世界で拡大が進んでおり、世界保健機関(WHO)の事務局長は、新型コロナウイルス感染拡大危機に対処するために、毎月8,900万枚の医療用マスクを始め、手袋、ゴーグルが国際的に必要であると推定し、これらの製造を世界的に40%増加することを求めています※5。
※1 一般社団法人日本衛生材料工業連合会 ホームページ(2020年4月20日参照)
※2 株式会社三菱総合研究所(2011年)経済産業省委託調査 最終製品出荷断面における品目別プラスチック使用量推計(品目別詳細表)
※3 Seas at Risk(2017)”Single-use Plastics and the Marine Environment”を基にTBM推計
※4 Reuters(2020)”Discarded coronavirus masks clutter Hong Kong"s beaches, trails”
※5 WHO(2020)”Shortage of personal protective equipment endangering health workers worldwide”
■ “植物由来の糸で編んだ、洗える抗菌マスク”「Bio Face」とは
このような世界情勢を受けて、TBMとバイオワークスは、衛生的に繰り返し利用ができ、海洋プラスチック汚染問題に貢献できる環境性能を備えた抗菌マスクの開発に着手し、植物由来且つ生分解性を備えるポリ乳酸を使用した「Bio Face」を開発致しました。「Bio Face」の製造において、ニット編み機で世界的なトップメーカーである島精機製作所と連携し開発したポリ乳酸の糸を使って、同社製のホールガーメント横編機※などで立体的に編み上げます。
※ 「ホールガーメント」は、株式会社島精機製作所の登録商標です。
https://www.shimaseiki.co.jp/wholegarment/
<Bio Faceの製品紹介及び特徴>
・人肌と同じ弱酸性で抗菌性を備えた繊維
人肌と同じ弱酸性で、抗菌作用※6も持つポリ乳酸の糸で製造しています。
ポリ乳酸の糸は、手術の際に抜糸せず人間の身体に分解吸収される
縫合糸としても使用されており、安全性と生体適合性を有する糸です。
※6 本マスクの抗菌性は一般財団法人ニッセンケン品質評価センターの試験にて確認済です。
・洗える、繰り返し使用できる環境性
洗って繰り返し利用することが可能なマスクです。
洗濯耐久性は、30回※7が目安です。繰り返し使用することで
マスクの廃棄削減に繋がります。
※7 本マスクの洗濯耐久性はBioworks株式会社による試験結果に基づきます。
(2020年4月27日時点、さらに回数を重ねて試験中。)
・付け心地の良い、立体的なシルエット
口周りに空間をもたせた形状の3D立体ニットマスクで、付け心地が良く、顔へフィットし、ストラップも同時に編み込む一体構造なので耳元へのストレスが軽減されます。また、咳やくしゃみの飛沫防止、各種アレルゲンの曝露低減も可能です。
・市販のウイルスカットフィルターや綿ガーゼなどの装着が可能
フィルターの挿入口(ポケット加工)が編み込まれているため、ご自身で市販のウイルスカットフィルターや綿ガーゼなどを装着して、マスクの機能を高めることが可能です。
(2020年6月に「Bio Face」用の抗ウイルスカットフィルターも販売予定。)
<主原料のポリ乳酸>
・人にも環境にも優れた安全性
ポリ乳酸は食品衛生法「厚生省告示370号」規格基準に適合し、ポリ衛協(ポリオレフィン等衛生協議会)のポジティブリストにも掲載されていますので、食品包装などにも使われています。また、米国食品医薬品局(FDA)Food Contact Notification(FCN)No.178でも安全性が認められています。
ポリ乳酸の基本単位である乳酸は、私たちの体内にも存在する極めて安全性の高い物質です。また、分解中間産物である乳酸オリゴマーの安全性も確認されています。
・植物由来且つ生分解性
ポリ乳酸は、トウモロコシ等のデンプンから作られ、燃焼時に二酸化炭素の排出を抑えられるほか、一定の環境下(58℃の好気的コンポスト環境下)で生分解するバイオプラスチックです。通常の環境下では、ほとんど分解は起こらず、長期間使用することが可能です。
<今後の展開>
TBMとバイオワークスは、地球の環境を守り、感染リスクから世界中の人々を守ることを目指して、「Bio Face」の生産を国内だけではなく、海外でも展開(2020年6月想定)します。同時に、「Bio Face」向けの抗ウイルスカットフィルターについても、2020年6月からの販売を予定しています。
TBMとバイオワークスは、本製品の企画・販売を実施して頂けるパートナー企業・団体様を広く募集いたします。これらのパートナー様との協業を通じて、新型コロナウイルスの感染者が拡大している国の政府機関、企業、マスクが行き届いていない途上国など、全世界に向けて「Bio Face」の展開を進めて参ります。
[Bio Face]
原料:本体 PLA 樹脂(ポリ乳酸) 耳部/フレーム部の一部のみ ポリウレタン、ナイロン
サイズ: XS(子供用)・S(大人用小さめ)・M(大人用普通)
希望小売価格:1袋1枚入1,500円(デザイン、刺繍代込み、税別)
*本製品の企画、販売を検討される法人のお客様は一括注文で別途、法人価格にてご購入可能です。
生産国:日本・海外
カラー:一括注文で染色が可能(基本色はグレーを予定、ロゴ等の刺繍も追加可能。)
生産枚数:2020年7月までに10万枚/月以上の体制を確保予定
(詳細ページはこちら)
https://tb-m.com/limex/products/bioface
(使用のご注意)
※ 空気中のウイルス飛沫、花粉の侵入をブロックするマスクではありません。
※ ウイルス・花粉症対策には市販のウイルスカットフィルターの装着、重ね付けをお勧めします。
※ 抗菌とは「製品表面の細菌増殖を抑制する」ことを言い、菌を一時的に死滅、除去する「殺菌」や「除菌」とは異なります。
※ 洗濯は手洗いを推奨、洗濯機をご利用の場合は洗濯ネットを使用してください。
※ 洗濯機でお洗濯いただくと商品が変形する可能性がありますので、ご注意ください。
※ 乾燥機、漂白剤、柔軟剤のご使用はお避け下さい。洗剤は中性洗剤をご使用ください。
※ 直射日光のあたらない吊り干しにして下さい。
※ 衛生用品の為、ご購入後の返品・交換はできません。ご了承ください。
[ご注文・お問い合わせ先]
本製品の企画・販売を実施して頂ける企業・団体のお客様、本製品の購入を検討されている一般のお客様は、下記よりお問合せください。
(法人のお客様)https://tb-m.com/contact/
(個人のお客様)https://limex-store.com/contact-bioface/
■ 株式会社TBM
代表取締役CEO :山﨑 敦義
本社 :東京都中央区銀座 2-7-17-6F
設立 :2011 年
資本金 :108 億 6,480 万円(資本準備金含む)/ 2020 年 1月時点
事業内容 :LIMEX 及び LIMEX 製品の開発・製造・販売
URL :https://tb-m.com/
■ Bioworks株式会社
代表取締役 CEO :今井 行弘
本社 :京都府相楽郡精華町光台一丁目 7 けいはんなプラザ ラボ棟 7F
設立 :2015 年
資本金 :3 億 957 万円(資本準備金含む)/ 2018 年 11 月時点
事業内容 :ポリ乳酸の改質、ポリ乳酸の改質剤販売、Plax(改質ポリ乳酸コンパウンド)の販売
URL : http://bioworks.co.jp
*本ニュースリリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
*本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
株式会社TBM