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デザイン思考の第一段階「課題を発見する」

第9回

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得意分野に時間を投下する準備を行う

 どんなに嗅覚がすぐれ俊敏に行動できる野犬であっても、鳥のように空が飛べるわけではない。人間も同様だ。理想のプロジェクトリーダーを考えるなら「革新的なアイデアを生み出し、チームメンバーの人間関係やモチベーションに気遣いができ、顧客へ丁寧なフォローアップを行い、細かな数値分析を元に意思決定をする人間」が想定できるかもしれない。

 しかし、現実的にあらゆる分野で優れた成果を出せる人間は存在しない。超人でもない限り、今挙げた4つのうちなら1つが限界だろう。仮に全部を標準的なレベルでうまくやろうとする人間が4人集まったとして、誕生するのは何の特徴もないチームでしかない。チームデザインの際に重要なのは、チームメンバーの強みと弱みを客観的に把握したうえで、各自の得意分野に投下できる時間を可能な限り最大化させることだ。

 どの分野が得意かを素早く把握するには、プロファイリング・ツールが有効だ。適性を中立的に把握するためのツールとして、たとえばMBTI(マイヤーズ・ブリッグス・タイプ指標)やストレングスファインダーなどさまざまなものがある。「ハーゲンダッツ」ブランドを所有しているゼネラル・ミルズやマンチェスター市舎も取り入れているタレント・ダイナミクスというツールだ。

結果思考で特性を考える 図1:結果思考で特性を考える 極論を言えばどのツールでも役に立つが、診断結果を具体的な行動につなげなければならない。結果を眺めながら「どのような仕事なら、他人より容易に成果を出せるか?」「どのような仕事は成果を出しにくいか?」と問いかけてみよう。
 たいていの場合、自己認識は真実からずれていることが多いので、診断結果を含めチームでディスカッションすることをオススメする。どのような特性をそれぞれのメンバーが持っているのかを、中立的な視点で共有することから始めよう。

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“行動につながる”課題を設定する

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この記事の著者

柏野 尊徳(カシノ タカノリ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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